- 特集 国語科授業づくりとカリキュラム・マネジメント
- 提言 資質・能力の育成を目指すカリキュラム・マネジメントとは
- カリキュラム・マネジメントとは何か
- 教科として、教育課程との往還を図る
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- カリキュラム・マネジメントで求められる管理職の役割/非管理職の役割とは
- 学校カリマネの共通理解を踏まえた国語科のカリマネの実現
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- カリキュラム評価とその改善とは
- カリキュラム改善のためにカリキュラム・マネジメントをどのように実施するか―PDCAサイクルとCIPPサイクルの利用方法を中心に
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- 国語科授業づくりにおけるカリキュラムの改善・改革
- 横断的視野と系統的視野、資質・能力の見取りと言語活動の設定
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- 国語科教師に求められるカリキュラム・マネジメント力とは
- 教師成長サイクルに位置づく学習材・教材の再研究とリ・デザインで力をつける
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- 授業名人がしている国語科カリキュラム・マネジメント
- 提案
- 活動主義から開発主義へ
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- 小学校
- 学習に必然性を生み出す
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- 中学校
- 教えるべきは徹底して教え、体験させるべきは大胆に経験させる
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- 高等学校
- コンピテンシーベースの国語の授業へ
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- 他教科とのつながりを意識した国語科授業づくりのカリキュラム・マネジメント
- 提案
- 他教科と統合する国語科のカリキュラムマネジメント―統合カリキュラム(サービス・ラーニング)の視点から
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- 小学校
- 授業構想シートで点を線に、線を面にする
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- 中央小アクティブ・ラーニングによる教育活動を通して
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- 中学校
- 〈非連続型テキストの価値〉と〈問いの立て方〉 に焦点を当てて
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- 「社会に開かれた教育課程」を実現する国語科カリキュラム・マネジメント
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- 高等学校
- 公民科とのつながりを意識した国語科授業づくりのカリキュラム・マネジメント―アクティブ・ラーニングによる「21世紀型能力」の育成
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- 互いに「つながり合う」カリキュラムへ
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- 小特集 アクティブ・ラーニングを取り入れた文法の授業づくり
- 提言
- 三つの要素を意識して「能動的」に取り組む
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- 実践
- 小学校
- 「具体的な言語操作」と「方法知の獲得」を位置付けた授業づくり
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- 中学校
- 一分間のミニ敬語劇づくり―わかったつもりを打破する、生きた敬語の使い手をめざして
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- 言語運用の場で有用性を実感できる文法学習を目指して
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- 高等学校
- 古典文法の協同演習×メタ視点からのリーダーシップの醸成
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- 板書×発問でわかる! 今月の授業づくり (第11回)
- 小学1年/構造的な板書で、対比をとらえさせる
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- 〜「どうぶつの 赤ちゃん」(光村)〜
- 小学2年/他社との比較から人物像を可視化する
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- 〜「スーホの白い馬」(光村)〜
- 小学3年/「ことわざ報告書」をつくろう
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- 〜「ことわざについて調べよう」(光村)〜
- 小学4年/ファンタジー作品の論理を読み解く
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- 〜「初雪のふる日」(光村)〜
- 小学5年/観点に沿って作品の面白さを見付ける
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- 〜「わらぐつの中の神様」(光村)〜
- 小学6年/叙述にもとづいて作品の心に迫る
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- 〜「海の命」(光村)〜
- 中学1年/語り手に着目してリライトしよう
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- 〜「少年の日の思い出」(光村)〜
- 中学2年/相手のために「骨を折る」経験を積ませる
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- 〜「手紙を書こう―友達からの相談に『徒然草』で答える」(特設単元)〜
- 中学3年/言葉からリアルに想像することで読みを再構築する
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- 〜「温かいスープ」(光村)〜
- アクティブ・ラーニング時代における国語教育の基礎・基本 (第11回)
- 本を要領よく読み続ける読書術
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- 〜よくない読み方・よい読み方〜
- 国語科ジグソー学習入門―ほんもののアクティブ・ラーニングを目指して (第11回)
- 「話すこと・聞くこと」のジグソー学習の実際
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- 教室の言葉から立ち上げる言語コミュニケーション教育 (第11回)
- 子どもの育ちを見取り、促す評価
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- 国語教師力を鍛える! 素材研究・教材研究・指導法研究 (第11回)
- 説明文「すがたをかえる大豆」(その3)
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- 国語教育の実践情報 (第11回)
- 小学校/第46回全国小学校国語教育研究大会東京大会を開催
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- 中学校/全関東地区中学校国語教育研究協議会・東京大会の開催
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- わが県の国語ソムリエ (第58回)
- 宮城県
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- SCHOOL REPORT (第6回)
- 博報賞受賞者訪問
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- 〜取材先:読りーむinちの〜
- 編集後記
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編集後記
二〇一六年八月に公表された「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」では、「カリキュラム・マネジメント」について次のように記されています。
(前略)校長又は園長を中心としつつ、教科等の縦割りや学年を越えて、学校全体で取り組んでいくことができるよう、学校の組織や経営の見直しを図る必要がある。そのためには、管理職のみならず全ての教職員が「カリキュラム・マネジメント」の必要性を理解し、日々の授業等についても、教育課程全体の中での位置付けを意識しながら取り組む必要がある。
「論点整理」(平成二十七年八月)の中でもすでに言及されていたことではありますが、「カリキュラム・マネジメント」は管理職だけの問題ではないということが重要な点でしょう。「管理職や教務主任のみならず、生徒指導主事や進路指導主事なども含めた全ての教職員が、教育課程を軸に自らや学校の役割に関する認識を共有し、それぞれの校務分掌の意義を子供たちの資質・能力の育成という観点から捉え直す」ということから考えるならば、国語科という教科における「カリキュラム・マネジメント」もまた、国語教師として必須なのではないでしょうか。
とはいえ、「カリキュラム・マネジメント」という言葉には、少し“取っつきにくさ”があるのも事実です。しかし、前掲「審議のまとめ」をよく読むと、国語科における「カリキュラム・マネジメント」は、これまで国語科で取り組んできたことをメタ的に捉え直したり、視野をちょっとだけ広げたりする、というだけのことなのではないか、とも思います。(かなり乱暴な言い方であることは自覚しつつ…。)そのようにしてこれまでの取り組みを“意味づけする”ということを通して、改善・充実の好循環を生み出すこともまた、一つの「カリキュラム・マネジメント」なのではと考えます。
「審議のまとめ」には、「国語科が、中心的役割を担いながら他教科等と連携して言語能力の向上を図るとともに、国語科が育成する資質・能力が各教科等において育成する資質・能力の育成にも資することがカリキュラム・マネジメントの観点からも重要である」と述べられています。国語科で育成すべき資質・能力とはなんなのか、この授業でどんな力がついたのか、それが他教科ではどう生かされるのか、目の前の子どもたちがこれから生きていくうえでどのように役立っていくのか、そのような見通しをもって授業づくりをすることが、「カリキュラム・マネジメント」の第一歩なのでは、と考えています。
小特集では、つい後回しになりがち(?)な文法の指導について、アクティブ・ラーニングの視点での指導構想にもとづき、子どもたちの主体的な取り組みへのヒントとなる提言・実践をお寄せいただきました。
/林 知里
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- 明治図書