国語教育 2007年9月号
読み書き関連で思考力を鍛える

B684

«前号へ

次号へ»

国語教育 2007年9月号読み書き関連で思考力を鍛える

紙版価格: 785円(税込)

送料無料

電子版価格: 706円(税込)

Off: ¥79-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
国語
刊行:
2007年8月6日
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 読み書き関連で思考力を鍛える
提言・思考力を育てる読み書き関連指導
読む力と書く力とが相互に転移し合うことによる思考力の育成
大熊 徹
重層的な言語能力の育成―総花的な関連指導の脱却―
小森 茂
メタ言語能力を養う―体得・習得・習熟―
浜本 純逸
思考の方略を教えていない
大森 修
「読み書き関連指導」の前に確かめるべきこと
相澤 秀夫
これまでの読み書き関連指導―ここが問題
読み書き関連指導の回想と課題
吉田 裕久
読み書き関連指導における「関連思考力」の拡充
須田 実
二つの問題点―「子どもたちの変化」への対応と、「評価」による成果確認
安藤 修平
「閉じられた表現力」から「開かれた表現力」への転換を
長崎 伸仁
視写・聴写・暗写の過程で思考力を鍛える
視聴写のすすめ
若林 富男
説明文や話し言葉の指導でこそ視写・聴写を生かせ
西田 拓郎
要約・発表・意見の過程で思考力を鍛える
要約文を採点させる
岡 篤
抽象と具体との間を行き来する
山本 直子
読み書き関連で思考力を鍛える・実践
情報発信のメカニズムに着目して
佐藤 俊幸
筆者のメッセージをとらえ、筆者のメッセージに対する意見文を書こう
福原 喜美子
学校図書館を活用して説明文を書く
中谷 直子
言葉を大切にし、声に出して読もう
硲 起代
「問題づくり」を取り入れた授業
星野 佐智子
シリーズ作品群を読み紹介文を書く
野村 美由紀
計画的指導で思考力を鍛える―過年度の新聞の学びを通して―
相原 正
自分の表現に生かそう!〜書くために読む〜
笠井 洋志
広告文を比較・考察し、目的を明確にして書く
小嶋 高徳
思考力の転移性に着目した読書感想文指導
門島 伸佳
文章を読んで比べ書く・重ね書く
佐藤 康
国語教育の再構築試案
PISA型読解力の授業と国語教育
山田 高広
「伝え合う力」を育てる教室づくり (第54回)
田村 治男
「読書に親しむ」授業づくり (第54回)
町図書館や保護者との連携を図りながら
牧坂 教子
書評
『国語学力を高める「言語事項」の指導 第2巻 低学年のステップワーク』(瀬川榮志監修)
鈴木 一コ
『朝の読書・日本の古典を楽しもう!@〜E』(市毛勝雄監修)
大内 善一
国語教育人物誌 (第198回)
新潟県
松本 修
富山県
米田 猛
石川県
折川 司
福井県
三好 修一郎
国語教育時評
誰か私に読解指導をしてくれないか
渋谷 孝
現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第114回)
新世紀の国語教育を拓く授業改革
瀬川 榮志
検定外・日本言語技術教科書の実践と考察 (第18回)
地図の読み書きで「読解力」を鍛える
市毛 勝雄
読解力向上のための実践提案 (第6回)
説明文教材にメスを入れながら読解する(上)
岩下 修
読書意欲を高める多読のすすめ (第6回)
自尊心をどうやってコントロールしたらよいか
増田 信一
国際的なコミュニケーションをどう取り入れるか (第6回)
「オツベルと象」で国際的なコミュニケーション
有元 秀文
これからの国語科教育 (第6回)
「国語力の育成」重視―中教審の検討の推移4―
田中 孝一
編集後記
江部 満

編集後記

〇…文科省が公表した「読解力向上に関する指導資料・PISA調査(読解力)の結果分析と改善の方向」は、現場に大きな衝撃を与えているようです。それは従来の学習指導要領とは一線を画した全く新しい考え方がいくつも示されているからだとの研究者からの指摘もあるからです。本号はこの指導資料の中から(1)テキストに基づいて自分の考えを書く力を高める、(2)様々な文章や資料を読む機会や自分の意見を述べたり書いたりする機会を充実する、の二点に絞って理論と実践の面から検討してみたいと考え特集を組みました。

〇…それは授業の中で自分の意見を述べたり書いたりする機会を充実させることが求められているからです。「資料」の解説では「その際、単に自分の経験や心情を書くだけでなく、目的や条件を明確にして自分なりの考えを述べたり、論理的・説明的な文章に対する自分なりの意見を書いたりするなどの機会を意図的に作っていくことが大切である」と書かれています。

〇…ここで想起されるのは、平成元年度改訂の学習指導要領によって「関連指導」が意欲的に取り組まれたことでしょう。吉田裕久氏(広島大)は、『戦後国語教育五〇年史のキーワード』の本誌臨刊号で、この時期に関連指導の意欲的取り組みで顕著な成果を上げたと評価されていました。一方で当時現場におられた大森修氏(現新潟市教委指導主事)は、「思考指導」を関連指導の「核」にせよ、と主張していました(本誌一九九二年三月特集号)。前記の吉田裕久氏は「読み書き」関連指導を導入することで学習者の学習意欲を喚起させ国語教育が活性化すると主張されていました。

〇…目下のPISA型読解力が注目されている中で、改めて関連指導の役割を問い直してみました。

(江部 満)

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ