- 特集 理解としての「聞く力」を鍛える
- 提言・「聞く力」をどう鍛えるか
- 聞いて考える・考えて聞く指導を
- /
- 必然的な聞くことの経験と優れた聞くことのモデルの存在
- /
- 批判的に聞く力と聞き取りメモ
- /
- 多聞力・速聞力を鍛える
- /
- 学習指導要領の指導事項をきちんと押さえる
- /
- 名人の「聞き方」指導―ここが違う
- 聞く子は良い子、聞く子は伸びる
- /
- 「聞く力」を鍛え、「話す力」の向上を図る指導の改善
- /
- 心ここにあらざれば……聴けども聞こえず
- /
- 聞き方指導は書き方指導である
- /
- 下学年の「聞く力」をこう鍛える
- 聞くことは話すことよりも積極的な行為
- /
- 教師の話し方が「聞く力」を鍛える
- /
- まずは「しっかり見る」からスタート
- /
- とても地道なアイディア三つ
- /
- 上学年の「聞く力」をこう鍛える
- 豊かな人間関係を結ぶ「聞く力」
- /
- 討論のできる聞く力を鍛える
- /
- 「3つの力」の育成で聞く力を鍛える
- /
- 聞く力の表出はやはり書くことである
- /
- あらゆる場面で「三つの力」を同時に鍛えよ
- /
- 「ブックトーク」で「聞く力」を育てる
- /
- 中学生の「聞く力」をこう鍛える
- 主体的に聞く力を高めるための「応じる力」を育む
- /
- 「指名なし討論」の授業で鍛える
- /
- バズ・セッションのプロセスが聞く力を鍛える
- /
- 考えながら聴き、判断して書きとめるメモの開発を
- /
- 「客観最重要」と「主観大切」を聞き取る力をつける
- /
- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第51回)
- /
- 「読書に親しむ」授業づくり (第51回)
- 言語活動例を大切にして
- /
- 書評
- 『国語教育を中核に据えた学校教育の創造』(瀬川榮志監修)
- /
- 『「心のノート」で生き方の原則を教える』(長野藤夫監修)
- /
- 国語教育人物誌 (第195回)
- 青森県
- /
- /
- 岩手県
- /
- /
- 宮城県
- /
- /
- 秋田県
- /
- 国語教育時評
- 「生きる力」を育む国語科という〈有名無実〉
- /
- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第111回)
- 母語・日本語教育を「国語科研究」で推進
- /
- 検定外・日本言語技術教科書の実践と考察 (第15回)
- 論理的なスピーチの指導
- /
- 読解力向上のための実践提案 (第3回)
- 要約から主題の把握へ(上)
- /
- 読書意欲を高める多読のすすめ (第3回)
- マンガで「考える力」を養っていこう
- /
- 国際的なコミュニケーションをどう取り入れるか (第3回)
- 文学教材で国際的なコミュニケーションを
- /
- これからの国語科教育 (第3回)
- 「国語力の育成」重視―中教審の検討の推移―
- /
- 編集後記
- /
編集後記
〇…「聞く力」を育てることの重要性についてはしばしば強調されていますが、読み、書き、話すの実践に比べてまだまだ未開拓と言えるでしょう。例えば輿水実氏の提唱された「基本的指導過程」では、(1)聞くことへの関心、意欲の喚起、(2)聞くことへの準備(話題や話し手に対する下調べ)、(3)聴取、(4)内容の整理(メモを取る、整理する)、(5)質問、感想、同意、反論、(6)内容の確認(メモで、文章で)、(7)確認のための再聴取、(8)評価(聞いたことの意義づけ、聞き方の評価)などが掲げられていました。
〇…一時期(五十二年の改訂)で聞く、話すことの事項は、表現・理解の領域の中で、主として「読む」「書く」ことの事項と結びつけられる形で統合・整理されたこともあって、聞く、話すことの指導が後退したことがありました。しかし音声言語に係わる読解力・態度の基本は、まず「よき聞き手」を育てることが大事だとされ、「よく聞く耳を持つ者こそ、確かで豊かな思考・認識を己の中に再生・創造し、その思考・認識を踏まえてよき話し手として表現活動を展開することになる」(『国語科基本的能力の指導体系・聞く指導』より)とまで言われていました。
〇…聞く行為は話す行為と切り離せないのは当然と言えるでしょう。にもかかわらず実践研究として発表されるものは、表現としての話す力を中心にしたものが多いのも事実です。聞く力はそれに付随したものなのでしょうか。かって本堂寛氏が上げた(1)聞き分ける力、(2)素早く聞き取る力、(3)話し手の話から自分の考えを作りだす力、(4)話し手に対して心配りのできる力なども検討すべき課題と言えるでしょう。
〇…さらには聞く行為を単に話を受け入れる受動的なものからより能動的で創造的なものに変えていきたいとする高橋俊三氏の「聴く力」の提唱も見逃せないでしょう。
(江部 満)
-
- 明治図書