- 特集 文学教材の新しい指導を工夫する
- 提言・言語技術の教材としてどう扱うか
- 表現特性のきわだつ叙述分析から始める
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- 言語技術教材としての再生
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- 他者と出会い、自己を豊かにする
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- 教材の変質と関わらない形式的指導の工夫の愚かさ
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- 「編集」に学ぶ読みの指導
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- 文学教材の新しい指導を工夫する―低学年
- 正しく音読できれば六割成功
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- 全体のあらすじを意識した授業
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- 登場人物に共感する読みの指導
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- 文学教材の新しい指導を工夫する―中学年
- 対比・要約・主題読み
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- 基礎体力をつける授業を
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- 教材文で先ず「読みの技術」を学ぶ
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- 文学教材の新しい指導を工夫する―高学年
- 文学の授業もインターネットを使う
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- 指導事項を明確にして新鮮味を―鶴田清司氏の示す三つの型をもとに―
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- 宮沢賢治作品で言語感覚を磨く
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- 文学教材の新しい指導を工夫する―中学校
- 読書体験から生き方を語る指導
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- 仮主題を証明する
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- 続編を書こう プレゼン・審査・推敲
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- 読書生活に生きる文学教材の指導
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- 『理想の国語教科書』批判
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- 『声に出して読みたい日本語』現象を読み解く
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- 文学の読みから読書に親しむ指導へ
- 読み方指導と読書指導の充実を
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- 教師の意識が授業を変える
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- 賢治の秘密を見つけて発表しよう
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- 参加型板書で集団思考を育てる (第11回)
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- 総合的学習を国語学習で支える (第23回)
- 話し合い、聞き合うことで自分の考えを確かなものに
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- 書評
- 『話すこと聞くことの活動事例集』(声とことばの会編)
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- 『聞き方スキルを鍛える授業づくり』(堀裕嗣・研究集団ことのは著)
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- 国語教育人物誌 (第143回)
- 東京都
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- 神奈川県
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- 北海道道南
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- 北海道道東
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第59回)
- 「基礎・基本を定着させる国語科教育の改革」
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- 国語教育時評 (第23回)
- 「論理本」には二種類ある
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- 到達度を見る絶対評価の問題づくり・小学校 (第11回)
- 子どもに「到達目標チェック」の力を育てる
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- 到達度を見る絶対評価の問題づくり・中学校 (第11回)
- 説明的文章の三つの下位区分―読むこと(4)
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- 「漢字文化の授業」がなぜ必要か (第11回)
- 漢字英語まじり文
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- 国語の基礎学力とは何か―言語技術教育の視点から考える (第11回)
- 基礎学力としての言語技術とは何か―「書くこと」―
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- 絶対評価で変わる国語の授業 (第11回)
- 関心・意欲・態度の評価は授業改善に直結
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- メディア教育の実践課題 (第11回)
- インターネット1
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- 編集後記
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編集後記
新学習指導要領が全面実施されてから教課審の答申の影響もあって、「文学的な文章の詳細な読解」は目の敵にされているようです。それに輪をかけたように文部科学省の調査官が「すべての文学的文章について、同一の手法で、繰り返し繰り返し主題を教え込んでいくという硬直した指導では、その改善を迫られても致し方がない」などという発言が影響しているかもしれません。今や文学教材の指導は袋叩きにあっている感があります。しかし「言語教育としての文学教材の指導」を強調してきた本誌の立場からしますと、「文学教材の指導はどこへ行く」という嘆きよりも正常化しつつあるといえるのではないでしょうか。例えば「文学教育観の推移と展望」を書かれた浜本純逸氏によりますと、戦後の文学教育は四期に分けてとらえられるとしています。第一期は「言語教育としての文学教育」、第二期は「問題意識喚起の文学教育」、第三期は「認識力変革の文学教育」と進んできた文学教育が一九七六年ごろから再び「言語教育としての文学教育」へと大きく傾斜してきたとしています。つまり人間形成をめざす文学教育から、言語の基礎学力として読む力を育てる指導へと転換してきていることを示しているわけです。このような動きを「感動批判から言語技術教育へ」と高木まさき氏は整理しています。その中で市毛勝雄氏の発言を紹介しています。「文学教材の指導も読んで楽しいという読書体験の普及を第一にし、理解の正確さ、精密さは問わない指導を研究すべきだ」「文学教材を言語技術の教材と割り切るとよい」と。本号は、読むことの指導における「文学教材の扱い方」に新しい視点を与えようという試みを特集としました。
(江部 満)
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- 明治図書