現代教育科学 2010年10月号
「心の教育」いま何が問われているか

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現代教育科学 2010年10月号「心の教育」いま何が問われているか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2010年9月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 115頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「心の教育」いま何が問われているか
提言・「心の教育」いま何が問われているか
子どもの低い「生きる力」をどう高めるか―「体験」が生きる力を高める
明石 要一
子どもたちの協働感覚を育てる
高橋 勝
相手の立場に立って考えられること―「心の教育」の根本がゆらいでいる
押谷 由夫
「心の教育」は、成果が見えない。それが一番の問題である
甲本 卓司
「自己肯定感」と「自尊感情」この二つを、教室の子どもたち全員が持つこと
谷 和樹
「心の教育」の可能性の追求
言語活動の充実と心の教育
対話と討論で心を育もう―心ある言葉の使い手を
花田 修一
公共的な対話の作法を鍛える
岩下 修
生きる力と心の教育の関連
体験に裏打ちされた心の教育を
山田 一
道徳の授業・心のノート・エンカウンターで仲間意識を育てる
岡 惠子
宗教教育と心の教育の関連
宗教教育と心の教育の関わりについて
緒方 正倫
「神棚・仏壇に手を合わせる」ことからの心の教育
渡辺 喜男
人権教育と心の教育の関連
「自信と誇り」があってこそ
長尾 彰夫
人権教育で心の教育に具体性をもたせる
松野 孝雄
「心のノート」の廃止―その問題点
なぜ新しい風とならなかったか?
荒木 紀幸
「論理」が通らなくなっている
長野 藤夫
実践提案・「心の教育」をどう教えるか―小学校
道徳授業をユニバーサルデザインする
河田 孝文
ルール指導の徹底・「就労」へと繋げる
師尾 喜代子
キーワードは、「よりよく生きる」
大江 浩光
「江戸しぐさ」で「心の教育」を行う
平松 孝治郎
子どもが熱中して思考する場をつくる
小野 隆行
実践提案・「心の教育」をどう教えるか―中学校
社会とつながり、未来を広げる実践を行いたい
染谷 幸二
中学三年生が素直な心になって親に手紙を書く
大北 修一
適切な行動を判断させるか、教えやらせる
西邑 裕子
持続可能な開発のための教育の提唱
藤原 隆範
好ましいあり方を具体的に示し続ける日常の指導
向井 ひとみ
科学技術教育立国論 (第7回)
理科好きの子どもたちに光を
小森 栄治
宗教教育における教師の責任 (第7回)
生死を直視する小説と宗教の定義
平野 久美子
新教授学理論に学ぶ (第7回)
「全体性」の教授学
深澤 広明
不適格教員の問題 (第7回)
理不尽に教職を追われる若い教師たち
向山 洋一
道徳教育のこれからの課題 (第7回)
錯綜する「宗教的情操」と「生命に対する畏敬」の関係
貝塚 茂樹
編集後記
江部 満樋口 雅子

編集後記

○…明石要一氏(千葉大学)は、かつて次のように説いておられました。

 「心の教育は頭から説いても効果は薄い。規範崩れの今、子どもの成長にあわせて規範と価値を友達との関わりの中で身につけさせなければならない。偽りでない本物のルールを学ばせるのである」(『心を育てる学級経営』二六九号)と。

○…「心の教育」という課題は、教育問題の中でも難題の一つと言われてきました。それゆえに、荒木紀幸氏(神戸親和女子大学)が強調されているように、今すること、時間をかけてすること。「教師は子どもとの信頼を図りながら、民主主義教育を徹底し、時間をかけ子どもの心の内に畏敬の念を育ててほしい」として、「対話を重視し、互いがどのように尊重していくかについて常に考えあう、教師は教室の秩序を維持するためにお互いが守るべき規則があることについて、互いに同意できるものとする」と強調されています。

○…また、「豊かさに処する心の教育」が今求められていると主張されている押谷由夫氏(昭和女子大学)は、「感謝する心の大切さ」を説いています。「『感謝する心』は相手を受け入れることによって芽生えてくる。その受け入れ方も自分にとってよいかかわりをしてもらっているという意識が根底にある」としています。

○…しかし、現場では「心の教育の必要性」を自覚していないとの声を聞きます。それは「忙しくて道徳の授業なんてやっている時間が無い」という「言いわけ」のようです。中には、「心の教育」という言葉にアレルギー反応を示す人々もいることも事実です。

○…敗戦後、修身が否定され、「心のノート」の廃刊も実行されました。このままでは道徳教育の見通しは暗いと言えます。本号は「心の教育」を今こそ現場実践でと願い、特集を組みました。

(江部 満)

○…文芸書を中心に活動をしている、ある大手の編集者にいわせると、「ベストセラー本」を何十冊も揃え、貸し出すことが業務の中心になっている?図書館、結構あるようです。

 出版以外の業界に対して、税金で、「民間の仕事を無償提供する」という機能をもっているものは無いのではないか―と怒っています。

 しかし、図書館側は、「本を無料で読むのは国民の権利だ、民主主義の本質だ」との見解。

 いったい、一つのベストセラーの陰に何十という累々たる在庫の山があり、(そんなこと読者とは関係ないか)一冊の書籍にどれだけの経費がかかるか、知ろうともしない―と。

 このままいくと、本当に出版社はこの世から抹殺されかねない状況。この後に、〈一体どういう民主主義の毒花が咲くか見もの…〉とも。

 今や、業界雀の逆ギレならぬ、正当ギレ続出状況です。こうレポートしていると段々、怪談じみてきました。そういえば、今年は猛暑で皆、キレ易くなっている?

(樋口雅子)

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