現代教育科学 2010年7月号
なぜ「規範意識」が育たないか

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現代教育科学 2010年7月号なぜ「規範意識」が育たないか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2010年6月7日
対象:
小・中
仕様:
A5判 115頁
状態:
絶版
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目次

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特集 なぜ「規範意識」が育たないか
提言・教育三法の改正と「規範意識」育成の課題
人権感覚に支えられた規範意識の育成を
長尾 彰夫
集団生活の充実と自己を見つめる体験の充実をこそ
押谷 由夫
改正の趣旨を踏まえて力強い前進を
野口 芳宏
正義と思いやりの学級経営を
荒木 紀幸
規範意識の育成の課題と方向性―福井県に学ぶ―
明石 要一
現場からの提言・なぜ「規範意識」が育たないか
ハインリッヒの法則に従って学校を見直すことその中に規範意識の崩れが入っていると大変だ
甲本 卓司
手だて次第で規範意識は育つ
大江 浩光
教師の授業力が絶対条件
河田 孝文
システムで生徒の規範意識を育てていきたい
染谷 幸二
「規範意識」育成―学校経営方針に位置づける
通学のマナーの遵守を通して
向山 行雄
学校の実態から構想する
山田 一
校長が先頭ランナーである
長野 藤夫
「規範意識」を高めるための提案―小学校
学級集団を創り、集団の中で育てる
吉田 真弓
六年生の規範意識を高めることが最重要課題である
大貝 浩蔵
賞罰のバランスを欠いてはならない
山中 伸之
「規範意識」を高めるための提案―中学校
「ルールを守ることは心地よい」という安心感を持たせる
大北 修一
率先垂範し、中間層を維持する
長谷川 博之
まず教師の規範意識を高めることから
水谷 美穂子
学級の「規範意識」をどう育てるか
やはり授業で構えを教える!
古川 光弘
「規範」を示し、守らせる
伴 一孝
「教えてほめる」―いくつのことを教えるか―
田口 広治
「規範を守るとよいことが起きると生徒に実感させる」指導で育てる
山田 高広
科学技術教育立国論 (第4回)
メディアリテラシーやコスト意識、リスク評価を
小森 栄治
宗教教育における教師の責任 (第4回)
新しい教科の新しい教科書
平野 久美子
新教授学理論に学ぶ (第4回)
授業モデルの教授学
深澤 広明
不適格教員の問題 (第4回)
職員室で子どもの悪口を言って笑っている教師たちを育てたのは誰だ!!
向山 洋一
道徳教育のこれからの課題 (第4回)
何が「道徳の時間」を形骸化させているのか
貝塚 茂樹
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

○…中教審の答申や各種の報告書において、児童生徒の規範意識の低下が指摘されています。例えば、平成一七年に文科省が公表した「新児童生徒の問題行動対策重点プログラム」では、「危険物の学校への持込みの禁止をはじめとする学校内のルールを遵守させるなど、学校内の規律の維持とこれを通じた児童生徒の規範意識の醸成」という観点から、生徒指導の在り方を見直していくことの必要性が指摘されています。

○…さらには教育基本法が平成一八年に改正され、第六条において、学校教育の実施に当たっては、「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずる」ことが強調されています。続いて、平成一九年の学校教育法の改正でも、第二一条において、規範意識をはぐくむことなどが義務教育の目標として掲げられています。今や学校生活を営む上で必要な規範意識を育成し、子どもたち一人一人が公共の精神や社会規範との関連において自己実現を図れるよう社会的自己指導力を身につける観点からの生徒指導体制の見直しも要請されているわけです。

○…他方現場からは「規範意識の低い学級はトラブルを重ねることが多い」と指摘されています。大森修氏は、「規範意識は規範を遵守することでしか育まれない。規範が遵守されているから学校は快適になる」とまで指摘されています。「子どもの規範意識の育て方」を低・中・高学年にわたって編集された伴一孝氏は、「規範意識は、むしろ教師にこそ求められている」と教師の自覚を促す提案をされています。他方で子どもたちが「規範の知識」を持っているか、という問いかけもあります。規範意識を育てる上で、規範そのものを教えることが問われているといえるのではないでしょうか。

(江部  満)

○…「子どもと生きる」という、東京民研(東京都教職員組合)の機関誌に、もう陳腐の店晒しモノともいえる、

 「一人ひとりを大切にしたい」を前提に―

 という中学教師の手記風記録が載っていました。

 今時、「一人ひとりを大切にしたい」に、反対する人は誰もいないでしょう。

 でも、どうすれば実現できるのか?は、さておくにしても、そういう状況に近づいているかどうか、検証の方法の一端でも紹介されているか?と思いきや…。

 これをいうなら、

 「たった一人の子も残さず、必ず、○○を習得させる…」

とか、具体例を一つでも、あげるべき…。

 それなら、検証できます。しかし、出来っこないから、大切願望―という、口あたりのいい言葉を並べている?

 これじゃまるで、願望すれば叶う―みたいな話、某国の総理と同じ…ですね。

(樋口 雅子)

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