- 特集 「伝統と文化」教育で日本文化を見直す
- 提言・「伝統と文化」の教育の可能性を考える
- 伝統・文化の教育の復権と振興
- /
- 「漢字・かな」自体が日本の伝統と文化である
- /
- 新国語科の立場を確立する―それは「国語の特質」との連携を図ること
- /
- 「伝統と文化」の教育が学校教育にもたらす無限の可能性
- /
- 「伝統と文化」の教材開発のヒント
- 教師が惚れこんだ教材を
- /
- 言語力の育成という視点から古典教材を位置づけること
- /
- 豊かな情緒と賢く生きる知恵を育てよう
- /
- 「伝統と文化」の継承と発展をめざす国語科の授業
- 論理的思考からの「言語文化の継承と発展」
- /
- 多様な言語体験を楽しむ学習を
- /
- 伝承文化のことわざを楽しく授業する
- /
- 「言語文化」継承・発展への道
- /
- 言葉に息づく日本の伝統を知る
- /
- 「伝統と文化」の継承と発展をめざす社会科の授業
- 守り・受け継ぎ・次世代につなぐ
- /
- 育てる学力を明確にした授業づくり
- /
- 世界に誇れるものという視点で日本の歴史を見直させる
- /
- 「ふるさと探検隊」で、「伝統と文化」の継承と発展をめざす
- /
- 過去と現在、未来をつなぐ意識を持たせる
- /
- 「音読・朗読・暗唱」の育て方
- 「朗読・暗唱」は、音読練習から
- /
- やみくもに暗唱させず―百人一首と論語の実践
- /
- 音読で「伝統・文化」に親しむ
- /
- 音読のテストで力をつける
- /
- 単なる素読では豊かな読みは育たない。問い続け解明する学びを育む授業づくりこそ必要だ
- /
- 【特別寄稿】齋藤勉先生を偲ぶ
- /
- 「教員養成」何が問題か (第11回)
- 師範学校はどのようにして教師を養成したか(その2)
- /
- 教育委員会制度を検討する (第11回)
- 北の大地の某学校職員の実態が教育委員会の機能不全を炙り出す
- /
- 教育再生への課題―現場の問題点 (第23回)
- 教員養成6年制に反対する 教育実習で「授業のやり方」を教えていないことが問題の本質だ
- /
- 戦後教育は終わった (第23回)
- 教育基本法改正のあとさき
- /
- 新教育課程で求める教師力 (第11回)
- 授業に向かう教師の同僚性
- /
- 編集後記
- /・
■編集後記
○…教育基本法の改正、新しい学習指導要領の告示に伴い、「伝統と文化」の教育への関心が高まっています。六〇年前、占領下で制定された旧教育基本法においては、前文でも第一条の教育の目的でも、さらに第二条の教育の方針でも「伝統と文化の教育」は一切見られません。
○…一九四五(昭和二〇)年八月一五日の敗戦以降、アメリカ占領軍の六年間近く続いた占領政策では、第一に日本語のローマ字化、第二に日本の伝統や文化についての否定などが強調された結果、「日本の教育伝統についてはほとんど何の知識も持っていないのが実情である」という梶田叡一氏(兵庫教育大学長)の指摘は重要な提起となっています。
○…改正された教育基本法では「前文」から「伝統」と「文化」の文言が位置づけられています。「個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する」と。「伝統」と「文化」の尊重は新教育基本法の重要条文の一つであることがわかると思います。
○…さらに改正された「学校教育法」でも次のように位置づけられています。「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と。「教育の民主化」は占領下で行われた改革である点について注目すべきでしょう。本号は、「伝統と文化の教育」について問題提起をお願いしたいと考え、特集を組みました。
○…本誌連載中の齋藤勉氏が急逝され残念でなりません。二月号、三月号で追悼記を掲載します。
(江部 満)
○…小社ランキングで、発売以来トップを更新しているのが、新装となった新書『新訂教育技術入門』です。初版時には、「教育を技術で語るなんて」「子どもへの愛がなくて、なんで技術なのか」というブーイングが渦巻いたことを思い出しました。
あれから一八年…。
フロムの「愛は技術である」を違和感無く受け入れる土壌が出来つつあることを実感させられました。
その昔読んだフロム本を探すのも面倒なので、検索かけると、「人は愛に飢えている」「愛の問題というと、どうすれば愛される人間になれるか―次元で考えていてはダメ」という意見が多いのも新発見でした。愛は、「スキルとシステムがあってこそ」という主張に、社会の成熟を思わずにいられませんでした。
(樋口雅子)
-
- 明治図書