現代教育科学 2010年3月号
「言語力の育成」なぜ強調されるのか

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現代教育科学 2010年3月号「言語力の育成」なぜ強調されるのか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2010年2月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 115頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「言語力の育成」なぜ強調されるのか
提言・「言語力の育成」なぜ強調されるのか
「人間性」の劣化防止のために
安彦 忠彦
「理由」を述べる必然性と論理性
田中 耕治
適切な言語運用力が人間力を育む
花田 修一
思考を導く言葉・言葉に導かれる思考
松山 雅子
「活用」としての「言語活動の充実」
下田 好行
教科固有の学習語彙指導への配慮
全教科の小論文で学力を評価しよう
市毛 勝雄
論理的思考力を育てる学習語彙指導(国語科)
深谷 幸恵
キーワードは「論理的思考力・論理的表現力」
井上 敬夫
日本語・日本の言語文化の特徴を教える
豊かな日本語・日本の言語文化のよさを体感させる
藤田 慶三
優れた「言語文化」をたくさん暗唱させよう
二瓶 弘行
正しい言葉遣いと敬語の指導
渡辺 真由美
読書活動の推進と学校図書館の活用
百聞があるから一見が生きる―言語力育成の方法原理―
加藤 明
読書好きでも「言語力」は育たない・アウトプットで「言語力」は育つ 大いに読書!
師尾 喜代子
『朝読書』を学級経営の柱にすることをオススメする
染谷 幸二
「言語力の育成」国語科授業の重点は何か
言葉を楽しむ授業をめざして
小M みほ
文学で読解リテラシーの育成も
岩下 修
「言語力と一体となった思考力」の育成を
山本 直子
メタ言語活動を充実させつつ
植西 浩一
「言語力の育成」社会科授業の重点は何か
『体験の言語化』と『言語による思考・表現活動の活性化』
安野 功
社会科における「言語力の育成」四つの場
臼井 忠雄
調べて考え表現する学習活動の充実
野 英司
「言語力の育成」算数・数学科授業の重点は何か
表現する活動を明確にし、事実・方法・理由の説明を重視する
金本 良通
算数的思考を深めるためのノート指導
菊地 寛
教科書例題指導などの場面で表現(発表・説明)する機会を設けていく
板倉 弘幸
「言語力の育成」理科授業の重点は何か
日本の言語力育成の構造的欠陥を改革せよ
武村 重和
個別評定によるノート指導こそが最大のポイントである!
小林 幸雄
自然の『文脈』をさぐる子どもを育てる中で言語力を養う
中井 章博
【特別寄稿】齋藤勉先生を偲ぶ
子どものために―原典と授業実践をつなぐ―
中野 啓明
「教員養成」何が問題か (第12回)
「子持ち」女教師は果たして「ハズレ」か
明石 要一
教育委員会制度を検討する (第12回)
教育委員会制度の破綻は戦後教育体制の破綻そのものである
大森 修
教育再生への課題―現場の問題点 (第24回)
大学を出て十数年 どんな授業をしているのか
向山 洋一
戦後教育は終わった (第24回)
「戦後教育は終わった」拾遺編
菱村 幸彦
新教育課程で求める教師力 (第12回)
改革する学校のあり方
無藤 隆
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

○…「言語力の育成方策について」という報告書が提案されたのは、二〇〇七年八月でした。その報告書には、「言語力は、知識と経験、論理的思考、感性・情緒等を基盤として、自らの考えを深め、他者とコミュニケーションを行うために言語を運用するのに必要な能力を意味するもの」とされていました。

○…さらにこの報告書では、言語力の育成が具体的に目指されています。知的活動に関すること、感情・情緒等に関すること、他者とのコミュニケーションに関することなどの三点です。指導の充実のために注目すべきは、すべての教科で言語力を育成することが強調されていることです。これは今回の改訂で各教科を貫く重要な改善点ではないでしょうか。

○…では、どうするか。子どもたちの「思考力・判断力・表現力」等をはくぐむ観点から言語に対する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図る上で、どのような言語環境を整え、子どもたちの言語活動を支えるか。そのために国語科では、低・中・高学年における読み書き、音読や暗唱、対話、発表など基本的な国語の能力の定着を図る必要があります。さらに、発達段階に応じて、記録、要約、説明、論述といった言語活動を行うことも求められています。

○…では、各教科において言語活動をどう積極的に取り入れるべきでしょうか。国語科で培った能力を基本に言語活動を充実させる必要があるわけで、教科書に取り上げられている言語活動の活用、読書活動の推進、学校図書館の活用など、さまざまな指導法の工夫が求められています。問題はこれまで「言語活動の充実」といっても各教科等では、手うすではなかったかということです。本号は新指導要領の課題として、新たな開発を期待されているのではないでしょうか。

(江部  満)

○…東京都教委は、ゆとり教育からの脱却を謳った新教育課程に対応するため、隔週での土曜授業≠フ復活を認める方針―だそうです。

 たしかに、隔週土曜授業はウケがよかったようですが、鳩山政権・教育政策の柱は日教組(世間では、どう読むかさえ忘却の彼方、ニッキョウグミと読む人もいるとか)ですから、どう動くか、面白いことに…。

 ということで知人と予想合戦をしました。

Aさん―隣の学校がやるんだったら、ウチもと、あっという間に東京だけでなく、全国にも広がる…。

Bさん―同じ東京の中でも、組合の強い学校とそうでないところで格差が出るんじゃない?教師に手当ては出るのかしら?

Cさん―保護者はウェルカムでは。子どもには学校に行ってもらうのが一番でしょ。

Dさん―塾の経営陣は、嘆き節かな…。

1つのことでもあれこれ、玉突きの影響が出るということのようで…。

(樋口 雅子)

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