4月ごろから報道され始めた、はしか感染拡大に関するニュースが一向にやまない。昨日の報道からも分かるように、「若者のはしか、過去最多=1週間で68人、関東以外に拡大」(時事通信)と、はしかの感染報告が過去最多を更新し続けている。
場合によっては命に関わるこの病気。ワクチンの普及によって深刻性が軽視されているとも考えられるため、筆者が調べたことを報告したい。
国立感染症研究所の記事によれば、はしかは麻疹(ましん)ウィルスによる感染症で、感染力が強く、空気・飛沫・接触などの経路で感染する。10日程度の潜伏期を経て発症、発熱し、数日で一旦解熱するが、その後39℃以上の高熱とともに顔や全身に赤い発疹が現れ、3日ほどで解熱し回復に向かう。
ウィルスがリンパ球で増殖することで一時的な免疫力低下が起こるため、他の感染症にもかかりやすくなるとのこと。発熱が長引く場合は、そのような合併症の可能性も考えられる。合併症には肺炎や脳炎などがあり、脳炎の発症は麻疹の重症度に関係なく、高い割合で死亡、または神経系の後遺症となるそうだ。
発症直後の時期が最も感染力が強いとのことだが、素人目には風邪に似た症状にも見えるため、この時期に出歩くことで感染が広まっていると考えられる。発症しても特効薬はなく、成人が感染すると重症化しやすいとも言われ、合併症による死亡の危険を考えると、病気の当事者も、周囲の人間も、もっと注意を呼びかける必要があるだろう。
日本では毎年10万人のはしか感染があり、20人前後が死亡している。1978年に麻疹ワクチンが定期予防接種に加えられたが、89年導入のMMRワクチンの副作用による乳幼児の死亡や障害の批判などを受けて、94年に予防接種法が改正され強制義務接種ではなくなったと言う。このため、90〜93年頃の接種率が落ち込み、94年以降も1歳児の接種率が50%程度となっている。この年代を見ると、ちょうど今はしかが流行している世代の接種時期と重なっていることが見てとれる。原因あっての結果ということだろうか。
世界的にも、日本は「はしかの輸出国」と指摘されている現実があり、すでにはしかの流行が排除されたというアメリカでの発症は、研究によってウィルスが日本から持ち込まれたことも分かっているという。そのような中で、「修学旅行生ら130人一時待機=はしかの疑い、1人入院−カナダ 」(時事通信)という今朝の報道もあり、日本人の入国禁止などの措置が取られないか心配されるところである。
大学の休講が相次ぐ中、「休みになってラッキー」とか、「アルコール消毒(=飲酒)」などと冗談めかして深刻なことになる前に、はしかの可能性を疑って診療を受けることをお勧めしたい。
※筆者は専門家ではないので、病状が疑われる場合は診療所などにご相談のこと!
- 麻疹(国立感染症研究所 感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html - 麻しん、麻疹、はしか(東京都感染症情報センター)
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/measles/index.html - 予防接種と私たち親−「はしか」を例にとって−(e-mama)
http://e-mama.ocn.ne.jp/report/yobou/ - はしか:若者に感染拡大 予防接種敬遠の世代(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070521k0000e040057000c.html

されていなかったらなんか変な話ですね。
今は、はしかオンリーか、はしかと風しんの2種と、どこかで見ましたよ。