「単元を貫く言語活動」ここが知りたいQ&A
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水戸部先生に聞く!「単元を貫く言語活動」Q&A(10)
アクティブ・ラーニングを具体化する単元を貫く言語活動
文部科学省教科調査官水戸部 修治
2015/1/16 掲載

最近、アクティブ・ラーニングという言葉をよく耳にしますが、どういう意味なのですか。
 また、どうしてそのような学習が必要なのですか。

アクティブ・ラーニングとは、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習のことです。
 大学教育改革に関して多く用いられてきましたが、義務教育では、平成26年11月20日の中央教育審議会総会で、文部科学大臣の諮問文「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」の中で取り上げられています。
 この諮問文では、

「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが、成人して社会で活躍する頃には、我が国は、厳しい挑戦の時代を迎えていると予想」

されるとした上で、子供たちが社会の急激な変化を乗り越え、未来を切り開いていく力を身に付けるためには、

「教育の在り方も一層の進化を遂げなければならない」

と指摘しています。
 つまり、これからの社会を生きる子供たちにとって必要な資質や能力を確実に育むためにこそ、こうした学習指導の一層の充実が求められるのです。

これから一層変化の激しい時代を迎えることを考えると、学習指導も変える必要性があることが理解できました。でも、具体的にはどんな授業を目指せばいいのですか。

先ほどの諮問文を見てみましょう。新しい時代に必要となる資質・能力の育成に関して、国内外の取組に共通している視点として、次のことを挙げています。

「ある事柄に関する知識の伝達だけに偏らず、学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い、子供たちがそうした教育のプロセスを通じて、基礎的な知識・技能を習得するとともに、実社会や実生活の中でそれらを活用しながら、自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・協働的に探究し、学びの成果等を表現し、更に実践に生かしていけるようにすることが重要である」

 アクティブ・ラーニングは、こうした資質・能力を育むための学習指導の方法として提唱されています。ですから、子供たちにとっての主体的・協働的な、課題解決的な学習を目指すことが重要になりますね。

アクティブ・ラーニングの必要性やポイントが分かりました! でも国語科では、単元を貫く言語活動の他に、こうした授業も取り入れなければいけないのですか。
 また、国語科の具体的な実践例にはどのようなものがあるのですか。

単元を貫く言語活動が何なのか、改めて確認してみましょう。
 単元を貫く言語活動とは、当該単元で付けたい国語の能力を確実に子供たちに身に付けるために、子供たちの主体的な思考・判断が生かされる課題解決の過程となるよう、言語活動を、単元全体を通して一貫したものとして位置付けるものです。
 もうお分かりでしょう。国語科でアクティブ・ラーニングを具体化することは、単元を貫く言語活動を位置付けた授業づくりを一層推進することに他なりません。
 より具体的には、

  • 子供にとって「知りたい!」「やりたい!」「伝えたい!」といった主体的な思いを重視した課題解決の過程をつくること。
  • 課題解決の過程となる、単元を貫く言語活動を適切に選定すること。
  • 課題を協働的に解決することに向けた、必然性のある交流の時間や場面を適切に位置付けること。

などが重要になります。その際、単元の指導のねらいを明らかにすることは大前提となります。
 実践事例については、書籍から紹介します!
 『「単元を貫く言語活動」を位置付けた小学校国語科学習指導案パーフェクトガイド 1・2年/3・4年/5・6年(全3冊)』に掲載の、各事例は、いずれも子供自身にとっての課題解決の過程となる、また主体的・協働的な学びとなる、単元を貫く言語活動の実践例です! ぜひご活用いただければ幸いです。

ここをチェック!授業改善のためのポイント

国語科におけるアクティブ・ラーニングとも言える、単元を貫く言語活動を位置付けた授業づくりを進めるには、次のポイントに留意しましょう。

  1. 子供にとって「知りたい!」「やりたい!」「伝えたい!」といった主体的な思いを重視した課題解決の過程となるよう、単元の学習過程を工夫していますか。
  2. 単元のねらいに応じて、単元を貫く言語活動を適切に選定していますか。
  3. 単元を貫く言語活動を遂行することと密接に関連付けた、必然性のある交流の時間や場面を位置付けていますか。

水戸部 修治みとべ しゅうじShuji Mitobe

 文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究官・教育課程調査官・学力調査官。小学校教諭、県教育庁指導主事、山形大学地域教育文化学部准教授等を経て、平成20年10月より現職。
 『「単元を貫く言語活動」を位置付けた小学校国語科学習指導案パーフェクトガイド 1・2年/3・4年/5・6年(全3冊)』『単元を貫く言語活動のすべてが分かる!小学校国語科授業&評価パーフェクトガイド』『「単元を貫く言語活動」授業づくり徹底解説&実践事例24』『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 1・2年/3・4年/5・6年(全3冊)』など、著書多数。

(構成:木山)
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