研究会情報
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発達障害のカモフラージュー見えにくい困りごとー
開催地域
オンライン
日程
2025/8/24(※要申込:8/22まで)
主催
神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会)
講師
広瀬 宏之 先生(横須賀市療育相談センター 所長・小児精神神経科医)
参加対象
幼児・保育/小学校/中学校
ジャンル
特別支援教育/学級経営/学校経営

会場

名称
Zoom

<講師からのメッセージ>
発達障害の支援でとても大事な要素がカモフラージュという現象です。

9歳のA男君は、高機能自閉スペクトラム症と診断されています。幼児期から療育に通って、今ではだいぶ特性が目立たなくなりました。小学校でも通常級でちゃんとやれています。でも、定型発達の人がちゃんとやれているのとは、だいぶ違います。学校でも周りにアンテナを張り巡らせて一生懸命空気を読み、自分の過敏に抵触しないように苦手な刺激を避けるようにしています。あまりに一生懸命なので、帰宅するとぐったりと疲れて小一時間の昼寝が必要なくらいです。A男君のお母さんは、そのことをとてもよく理解しているので、昼寝を邪魔しないようにしています。

今年はクラス委員をすることになりました。本人にはその気がなかったのですが、成績が優秀ということもあって、担任に強く勧められたのです。「他のことでもちゃんとやっているから大丈夫だよ、君ならできるよ」と言われたのです。気が進まなかったA男君ですが、断りきれずに引き受けることになりました。

元々の特性があるA男君にとって、人と人の繋ぎ手としてのクラス委員はあまりに負担が強すぎました。最初のうちは頑張っていたのですが、そのうち登校渋りが始まり、とうとう夏休み明けから登校できなくなりました。「あんなに頑張っていたのに…」とびっくりする担任でした。主治医からは「本人のキャパシティを超えるカモフラージュで抑うつ状態になったのだろう」と説明されました。

発達障害者がカモフラージュによって適応している状態と、定型発達者が自然に生活している状態は、外から見ると区別がつきません。適応できているから大丈夫という誤解は厳禁です。カモフラージュは格別の努力を要するために、心身への負荷が強く、適応という水面の下にあるカモフラージュへの視点が不可欠なのです。

【ごあんない】
単発での参加も可能ですが、同日午前のセミナーと併せて受講していただくと理解が一層深まります。

<担当講師>
広瀬 宏之 先生(横須賀市療育相談センター 所長・小児精神神経科医)

▼講師プロフィール
1995年に東京大学医学部卒業。同小児科・大学院、国立成育医療センターこころの診療部、米国フィラデルフィア小児病院などを経て、2008年より現職。2015年から放送大学客員講師兼務。医学博士、小児神経専門医、小児精神神経学会認定医、子どものこころの専門医。著書に『発達障害支援のコツ』、『発達障害支援の実際』、『発達・子育て相談のコツ』、『発達障害のある子育て』、『発達障害診療の手引き』『「ウチの子、発達障害かも?」と思ったら最初に読む本』、『もしかして、アスペルガー?と思ったら読む本』、『自閉症のDIR治療プログラム』(翻訳)、『こころの病への発達論的アプローチ』(監訳)、『発達障害とのかかわり』(神田橋條治氏との共著)など。

内容や申込方法などの詳細はこちらをご確認ください。
https://form.dr-seminar.jp/lps/asgzdk/kanagawald_summer2025_information