まるしん先生直伝!研究主任の仕事大全
より良い研究に取り組むことで、学校は活性化し、先生たちはやりがいをもち、子どもたちは笑顔になります。研究主任がすべき仕事、まるごと教えます!
研究主任の仕事大全(2)
研究テーマを決めよう!
テーマ設定の手順を確認する
立命館小学校丸岡 慎弥
2022/7/5 掲載

子どもと教師の実態調査ができたら、いよいよテーマの設定です。なんとなく流行の言葉だから…などと決めてはダメ! 物事は準備が9割、これは校内研究も同じです。

確かな研究にするための準備をする

 確かな研究へと成長させていくために「研究に関する関連情報」をきちんと踏まえておかなくてはいけません。ここは、少し苦労するところですが、ていねいにおさえるようにしましょう。

 確かな研究にするためには事前の情報収集が欠かせません。それは、研究の本質から見ても明らかです。ここで、研究とは何なのかを改めて確認してみましょう。

物事を深く考えたり、詳しく調べたりして、真理、理論、事実などを明らかにすること。(コトバンクより )

 確かな研究は、自分たちで考えることはもちろん大切ですが、それだけではいけないのです。自分よがりになってしまっては、確かな研究とすることは到底難しいことです。
 「先行研究」という言葉があります。自分たちが研究しようとしている分野や内容は、これまでにどのようなことが研究されたのかを調べることが必要です。でなければ、「研究それ自体に“意味がない”場合」すらあるからです。

 では、どのようなものから先行研究を調べていけばいいのでしょうか。それは、例えば、次のようなことがあげられます。

  • その道の専門家に聞く
  • 研究に関連する書籍を読む
  • 研究に関連する雑誌を読む
  • 研究に関連する論文を読む

 実際の研究に入る前に、どれだけ「関連情報」に当たることができているかで、研究の成果は大きく変わってきます。その情報を収集する一番手が、研究主任なのです。
 研究主任が何でも知っている必要はありません。しかし、研究主任が「知ろう」とすること。その姿勢はぜひ、持ち合わせてください。その姿勢が、学校の研究をまた一歩確かなものへと導いてくれるのです。

研究主任の強みを活かす研究にする

 「研究教科を何にするか?」ということは、研究を進める上で先生方の関心も高いです。最近は、教科では縛らずに「深い学びをどう生み出すか?」のようにテーマを設定することも増えているようですが、どのような場合でも大切にしたいのは次のことです。

研究主任が一番得意なものを設定する

 研究主任は学校の研究を誰よりも引っ張る担い手です。したがって、研究主任が堂々と自信をもって進められるものを設定することが、研究の成否を左右するといってもいいでしょう。そのためには、研究主任は次のことを知っておかなければいけません。

自分の強みは何なのか

 ここでいう「強み」はできるだけ小さく絞っておいた方がいいでしょう。ただ単に「算数」「国語」「道徳」ではなく、「算数科で子どもたちに説明をさせる指導スキルが得意」「国語科の教材分析には少し自信がある」「道徳科の発問づくりには取り組んできた」など、一歩深めて自身の強みを考えてみます。
 研究主任の強みを活かすことができれば学校の研究もスムーズに進めることができます。ただ、以下の2点には注意してください。

  • 自分の得意教科だからといって「教えよう」「伝えよう」を前面に出しすぎない(よい研究主任は引き出し上手)
  • もし、自分の強みとは違う教科やテーマになっても前向きに取り組む

研究テーマは一言一句にこだわって作成する

 下調べをし、自分の強みが分かったら、いよいよ研究テーマの設定です。
 ある年、私が研究主任を務めていた学校では、次のような研究テーマを掲げていました。

道徳科を要としたカリキュラムマネジメントの開発
〜子どもの感性を活かす道徳授業づくりの発展〜

 この研究テーマの設定・提案には、次のような思いが込められています。

  • 昨年度の反省から「次年度はカリキュラムマネジメントに取り組もう」という意見が浮かび上がっていた。本年度は、「カリキュラムマネジメント」を中心に研究を進める必要があった。
  • 当時の学校は、道徳科の研究を進めて4年目を迎えていた。それまでの道徳の研究を活かすためにも「道徳科を要として」とすることとした。
  • サブテーマの「子どもの感性を活かす道徳授業づくりの発展」は、これまでの研究を続ける意味でもこのような文言に設定した。それまでは「子どもの感性を活かす道徳授業づくり」としていた。カリキュラムマネジメントを推し進めるとはいっても、研究授業は1時間の授業を核に見ることは変わりなく、1時間の授業をより良くしていく研究は進めていく必要があった。そこで、これまでの研究テーマを発展させる形で「子どもの感性を活かす道徳授業づくりの“発展”」という言葉を使用した。

 このように、研究テーマに意味づけがされていれば「意味記憶」として脳内にも残ります。研究テーマは、「この言葉を設定した理由は…」とイチイチ説明できるものを設定しなければいけません。だからこそ、次の3点を意識しましょう。

  • 研究テーマで使用する言葉に哲学を込める
  • 決定までに職員と話し合う時間を設ける
  • これまでの研究成果を振り返り、その研究に上積みするようにする。

 研究テーマの設定は1年間の研究を貫く大きな柱となります。一言一句にこだわり、どうしてそのようなテーマにしたのかを誰にでも語れるようにしておきましょう。

丸岡 慎弥まるおか しんや

1983年,神奈川県生まれ。三重県育ち。皇學館大學卒。立命館小学校勤務。道徳科教科書編集委員。関西道徳教育研究会代表。NLPやコーチングといった新たな学問を取り入れて,これまでにない教育実践を積み上げ,その効果を感じている。
丸岡慎弥のblog★
https://ameblo.jp/marushindozo
関西道徳教育研究会HP
https://fa.fureai-cloud.jp/kansaidouken
オープンチャット「まるしん先生の道徳教育研究会」運営
https://onl.la/xeSVV5w

(構成:林)
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