子どもが進んで動き出す! 給食・掃除のシステム&アイデア
“やらされる”当番から,“進んで動く”当番へ。毎日のことだからこそこだわりたい,給食・掃除のシステムとアイデアを大公開!
子どもが進んで動き出す!給食・掃除のシステム&アイデア(12)
食事のマナーを楽しく身につけさせよう!
静岡教育サークル「シリウス」宇佐美 吉宏ほか
2016/5/25 掲載
  • 給食・掃除のシステム&アイデア
  • 学級経営

 給食の時間は、食事を摂るだけでなく、食事にかかわるマナーを指導する大切な時間でもあります。
 最終回の今回は、そんな食事マナー指導の工夫やアイデアをいくつか紹介します。 

楽しい「いただきます」で給食をスタート!

 食事を始めるときは、全員が手を合わせてから、「いただきます」と言うことが多いと思います。そこにちょっと工夫をすることで、給食の時間がもっと楽しく迎えられます。
 まず、当番が「手を合わせてください」と言ったら、手を「パン! パン! パパ パン!」と、みんなで合わせてリズムよくたたくのです。
 その後、「いただきます」のあいさつをしますが、ここで当番に「いただきます」の前にひと言つけ加えてもらいます。オリジナルのひと言がおすすめですが、場合によっては、終了時間やおかわりをもらう順番などを伝えてもらうこともあります。
「完食めざして! いただきます!」→「(全員)いただきます!」
「今日は12時50分まで。おかわりは1班からです。おいしい給食、いただきます!」→「(全員)いただきます!」

@

自分の箸を忘れたときは…

 給食の際、マイ箸を持参させている学校もあると思います。
 子どもが箸を忘れてしまったときは、教室にストックしておいた割箸をあげたりしますが、あえて使い捨てではない箸を貸し出します。
 使い捨てではないといっても、100円ショップで何膳かセットになったものを売っているので、それを下の写真のようにケースに入れて教師用の机に入れておきます。
 貸し出した後の指導も重要です。やはり「借りたものはきれいにして返す」というマナーを身につけさせたいものです。
 そこで、借りた箸を家庭に持ち帰らせ、洗剤でしっかり洗ってから翌日返却させるようにします。保護者の目にも当然触れることになるので、子どもが箸を忘れてしまったことを知り、その後忘れないように気をつけてくれるようになります。このように、箸を貸すことには、忘れ物を抑止する効果もあります。

A

麺の袋をすっきり片づけ!

 ソフト麺やラーメンなど、子どもたちが大好きな麺類ですが、給食後、教室のあちこちに麺の袋が落ちていることがないでしょうか。一人ひとりが片づけのときに捨てるのが普通ですが、これだと片づけの苦手な子がきちんと捨てず、机の下に落としてしまったりします。そこで、班で1人袋を集める役割を決め、班の全員分を片づけます。ポイントは、食後ではなく、麺を袋から出してすぐのタイミングで集めさせるということです。
 せっかく集めても、片づけ用の大きなビニール袋に無造作に入れていくと、あふれ出てしまうことがあります。そこで、班で集める前に一人ひとりが麺の袋を細結び状に小さくまとめます。その状態で1つの袋に入れれば、班ごとに出すゴミのサイズがかなりコンパクトになります。

B

みんなで楽しく歯磨きタイム!

 給食後に歯磨きタイムを設けている学校は多いと思います。しかし、高学年ともなると、適当に済ませてしまう子も少なくありません。そこで、歯磨きタイムが楽しみになるような工夫をしてみましょう。
 やることは至ってシンプルです。
 まず、保健係が流す曲を準備します。全員着席して歯磨きの準備ができたら、曲を流すとともに歯磨きを始め、曲が終わるまで歯磨きを続けます。
 ポイントは、出席番号順や班順などの日替わりで、流す曲を子どもたちに決めさせるということです。自分たちが好きな曲を聴きながらの歯磨きは楽しい時間になります。

C

 

こちらでは、食事マナー指導にかかわるアイデアをその他にもたくさん紹介しています。

静岡教育サークル「シリウス」

1984年創立。
「理論より実践」「具体的な子どもの事実」「小さな事実から大きな結論を導かない」これらがサークルの主な柱です。
自分の実践を語る場がある、聞いてくれる仲間がいるというのはすばらしいことです。同じ志をもつ仲間がそこにはいます。

(構成:矢口)
コメントの受付は終了しました。