リトミックで音楽授業!
リトミックが初めての先生もOK! 映像とワンポイントアドバイスで、だれでも楽しい音楽授業があっという間にできあがります。
リトミックで音楽授業!(1)
「音楽の命」である拍を意識した授業をしましょう
国立音楽大学准教授井上 恵理ほか
2013/6/10 掲載

リトミックってなぁに?

 リトミックとは、スイスの作曲家エミール・ジャック=ダルクローズ(1865-1950)の創案した音楽教育法です。
 音を聴き、感じ、身体から音楽を理解し、さらに音楽を通して心身ともに情緒豊かな人間を育てること、身体全体からわき出てくるような喜び、うれしさ、楽しさを奏で、そこから音楽を創ること、表現することの素晴らしさを体験し、音楽の感性を高めます。

拍の流れにのって手遊びをしながら「かたつむり」を歌う

対象
小学校1年生
学べる要素
拍の流れ

 「心拍」や「脈拍」という言葉があります。トクトクやドックンドックンなどと聴こえます。人が生きている間、ずっと心臓が血液を循環させてくれている音です。音楽の拍も、音楽に命を与えてくれます。
 速い拍の流れでは緊迫感を感じ、ゆったりとした拍の流れでは気持ちが穏やかになったりします。
 音楽と一体になるには、拍の流れを感じ取れるようになることがとても大切です。それでは、小学校第1学年の歌唱共通教材である「かたつむり」を拍にのって楽しく歌いましょう。

「かたつむり」『リトミックでつくる楽しい音楽授業』付属DVDより
(クリックすると映像がストリーミング再生されます。)

※上の映像をクリックしても再生できない場合はこちらの映像をお試しください。

 まずは、じゃんけんのグーとチョキでかたつむりをつくります。
 はじめはゆっくり手を替えずに歌ってみましょう。慣れてきたら、映像の前半ように「でんでん」「むしむし」と、1小節ごとで左右交互にかたつむりをつくって、2拍ごとの大きな流れにのって歌いましょう。さらに慣れてきたら、映像の後半のように「でん」「でん」「むし」「むし」と、1拍ごとに交互に手を変えて楽しく歌いましょう。どんどんテンポを速くしたり、またテンポを遅くしたりしても楽しめます。

井上 恵理いのうえ えり

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。ジュネーヴ・ジャック=ダルクローズ学院卒業。ダルクローズディプロマ取得。国立音楽大学准教授。玉川大学非常勤講師。「リズムの森」総合指導主任。日本ジャック=ダルクローズ協会副会長、日本ダルクローズ音楽教育学会理事、全日本リトミック音楽教育研究会本部講師。
著作として『“体を楽器”にした音楽表現 リズム&ゲームにどっぷり!リトミック77選』(共著、明治図書、2006)、『アクション&ビートでつくる音楽鑑賞の授業』(共著、明治図書、2007)、『DVD ジャック=ダルクローズのこどもたち』(訳、響、2004)などがある。

酒井 美恵子さかい みえこ

国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。東京都の公立中学校の音楽科教諭及び指導主事を経て現在、国立音楽大学准教授。日本音楽教育学会、日本学校音楽教育実践学会などに所属。
著作等として『中学校音楽科新学習指導要領ガイドブック』(共著、教育芸術社、2008)、『中学校新学習指導要領の展開 音楽科編』(共著、明治図書、2009)『中学音楽が魅力的に変わる!授業プランの新モデル24 第1学年編』『同 新モデル30 第2・3学年編』(何れも編著、明治図書、2010)などがある。

(構成:木村)
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