板書王のとっておき算数授業
これまで数々の授業・板書記録を残し続けてきた板書王が教える、子どもたちが授業に食いつく、とっておきの板書・授業ポイントが満載!
板書王のとっておき算数授業(11)
違和感の正体は!?〇〇すれば解決できる!既習を生かそう!
5年「帯グラフと円グラフ」(1/4時間)
新潟県新潟市立上所小学校二瓶 亮
2021/4/10 掲載

本時のねらい

 帯グラフや円グラフの特徴を捉え、「もとにする量は何か」に着目して、全体に対するそれぞれの部分の割合を求め、帯グラフや円グラフに表す。

板書

図1

板書のとっておきポイント

  • 話合いのメインにとなる帯グラフを黒板の中心に据え、割合の計算とのつながりが見えるように可視化する。

授業の流れ

1情報不足のグラフから問いをもつ(15分)

 あらかじめ子どもたちにアンケートをとっておき、その結果を授業に用いることとした。今回扱ったのは「好きな教科」で、票が入ったのは6項目。学級の人数は25人であった。

みんなにアンケートをとった「好きな教科」の結果を発表します。

算数が1位だね。

6種類しか票が入らなかったんだね。

この結果をグラフに表してみましょう。今回は、このグラフ用紙を使います。

えっ?25人しかいないのに、どうして目盛りが100まであるの?

本当だ。まだ困ったことがあるよ。今回票が入ったのは6種類なのに、グラフに書き込める枠が5か所しかないよ。

そうそう。一個だけ入らないからかわいそう。

なるほど。困ったことがあるということですね。

図2

 上の写真のようなグラフ用紙を提示すると、子どもたちはさまざまな困り感を口にする。今回出てきたのは、以下の2点である。

(1)最大で25票しかないのに、目盛りの最大値が100であること。
(2)票が入ったのは6項目なのに、グラフに入っている切れ目によるまとまりは5か所しかないこと。

 それぞれの話題について全体で順に扱っていく。まずは(1)について解決することにした。

2票数を割合を用いて表す(15分)

では、まず「目盛りの数がおかしい」ということについてどう困っているのか、みんなで考えてみましょう。〇〇さんが言っていた「目盛りの数がおかしい」というのはどういうことかな?

クラスの人数は25人だから票も全部で25票ですよね。それなのに、グラフの目盛りが100まであるのはおかしいと思う。

そうそう。30ぐらいまであれば十分。

分かった。「100」と言えば、百分率でしょ?人数を割合で表せばいいんじゃないかな。

そっか。全体の人数である25を100と見た割合で表せばいいってことだね。

今回は全体の数である25をもとにする量と見ればいいってことか。

割合で考えるという見方、とてもいいですね。では、一番多かった算数について、全員で考えてみましょう。

100÷25=4、4×7=28(%)と考えました。

この「4」って何を表しているのかな?

う〜ん、何だろうな…。

100%を25人で割っているから…1人あたり何%かを求めているんじゃないかな?

ぼくは別の考え方をしたよ。25人中7人いると考えて、分数で表しました。7/25=7÷25=0.28(28%)

あっ!これがグラフの一番左の部分だね。ぴったり28%だよ。

図3

これで他の教科の割合も求められそうですね。

 時間をとり、他の教科の割合を計算で求めさせていった。

図4

3求めた割合を用いてグラフを完成させる(15分)

あれ?待って、先生。そういえば、もう一個の問題が解決していないよ。

もう一個の問題とは何でしたっけ?

6項目あるのに5か所しかない問題。

そうそう。それを解決しないと、割合を求めてもグラフに表せないね。

図5

仲間に入れてもらえないとかわいそうだよ。

かわいそうじゃなくできるよ!

私もできるよ。Dの場所をさらに2つに分ければいいんだよ!

図6

あー!なるほど!

他の方法もあるよ!余計かわいそうな扱い方かもしれないけど…音楽と外国語を「その他」にすればいいんだよ。

あー!その他ね!たしかにその手があったね。かわいそうだけど、人数が少ないしその他としてひとまとめにくくるのも悪くない方法だよね。

では、音楽と外国語は「その他」としてまとめることとして、帯グラフを完成させましょう。

図7

 最後に円グラフを提示し、かき方を指導した。個人で円グラフを作成する時間をとって授業を終えた。

授業のとっておきポイント

 今回も、情報不足のグラフ用紙を提示することで子どもの困り感を引き出した。そして、その困り感を全体で共有し、解消していく展開とした。
全体の数が100のグラフを提示することで、前単元で学習した割合(百分率)を想起させる。全体の数が25しかないものを100で表す、つまり「25を100と見る」という「もとにする量」の見方を引き出す。この授業で最初に大切にしたいことである。今回は学級の人数が25人とちょうど良い数だったが、学級の人数が割り切れない数の場合は、意図的なデータを提示しても良い。導入から難しい計算が入ってくると、計算に時間がかかってしまったり、ついて来られなくなってしまったりする子が出てしまい、割合と帯グラフ・円グラフとの関係に目が向かなくなってしまう可能性がある。
 また、今回のような場合は、もとにする量が変わらないため割合を足したり引いたりできる。しかし、もとにする量が異なる場合は割合を足したり引いたりすることはできない。その点にも留意して指導したい。

二瓶 亮にへい りょう

1989年新潟県生まれ。新潟市立上所小学校教諭。教員10年目。
子どもの思考に寄り添うことを大切にした算数授業を目指して日々研鑽中。
「フォレスタネット」(授業準備のための指導案・実践例共有サイト)に、板書写真を中心に、実践を多数投稿。「フォレスタグランプリ」の2018年11月大会にて「板書王」、2019年2月大会にて「ベストナイン(算数)」、2019年7月大会にて「月間MVP」を受賞。
共著に「フォレスタネットSelection Vol.3・Vol.4・Vol.5」((株)スプリックス)がある。

(構成:中野)
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