明治図書の教育アプリ
明治図書の教育アプリのご紹介です。
「読み書き困難の児童も、楽しみながら特殊音節のトレーニングに取り組めます」
― iPadアプリ『ひらがなトレーニング』ご利用校インタビュー
東京都品川区立源氏前小学校 コミュニケーションの教室ふれあい長田 尚子先生
2015/9/14 掲載
  • 明治図書の教育アプリ
  • 特別支援教育
iPadなどのICT機器を積極的に活用して授業を行っている小学校の通級指導教室の先生に、発売中のiPadアプリ「ひらがなトレーニング」を授業でご利用いただいた感想などをお伺いしました。

iPadアプリ『音韻認識力をはぐくむ!ひらがなトレーニング』

ひらがなの読み書きで「ちゃ・ちゅ・ちょ」を間違えてしまう…そんな子どものためにひらがな習得の基礎スキル=音韻認識力に着目して作った学習アプリです。

音韻認識力をはぐくむ! ひらがなトレーニング

Q.学級の状況をお教えください

A.本学級には、読み書きの困難さを抱える児童が多く通級しており、個別指導の時間を中心に特殊音節のトレーニングを進めています。読み困難な児童にとって、苦手分野のトレーニングに対する意欲は低く、ワークシートなどの課題は、読むことに加え、書くことの負担も大きく、取り組みたがらないことが多い状況です。

Q.iPadアプリ「ひらがなトレーニング」をどのように、利用していますか?

A.対象は、読み書き困難の児童と低学年の児童です。iPadのアプリだけでなく、ワークシートを使用したトレーニングも併せて行っています。集中持続に課題がある児童が多いため、短時間で終わる課題を組み合わせて指導しています。そのため、45分の授業の中の一部で活用しています。個別指導の時間に5分程度使用することが多いです。その日の児童の様子によって、変更することがありますが、基本的には1〜2つ程度のタスクに取り組んでいます。

Q.iPadアプリ活用して良いと思われるのはどのような点ですか?

A.iPadを用いることで、クイズ形式で解答を選択し課題を解決するため意欲が高まり、特殊音節のトレーニングができる点が良いと思われます。自分の苦手なこと向き合おうとする気持ちが、なかなか生まれにくいものですが、楽しみながら取り組むことができています。答えが選択できるので、一から答えを考えて書かなくても良いため、書くことへの負担感が減り、課題を最後までやりきる気持ちが持続します。
教材の準備が要らず、手軽に取り組ませることができる点も便利です。
また、イラストと共に音声情報で言葉を確認できるので、確実な語彙の習得にもつながると感じます。語彙が少なく概念形成が十分でない児童には、途中の段階として、絵と文字とが同時に提示され、なお且つ、音声情報も確認できるパターンに設定できるので、児童の実態に合わせてスモールステップで学習することができるのもよいと思います。

図2
編集部注)300余りのことばが出題される。イラストの下にある【耳】ボタンをタッチすると、音声を確認することができる。
図3
絵と文字を同時に表示することもできる。

Q.このアプリは、それぞれの児童に応じて表示や音声などの設定を変更することができます。どのように設定を変更して活用されていますか?

A.初期設定では、BGMが鳴り続けるため、集中が途切れたり、「眠くなる」と言っていたりする児童もいましたが、設定を変更することによって無音の状態になり、集中して取り組むことができました。他に、高学年児童にとっては、背景が幼稚な感じを受けるようで、背景の変更を希望していましたが、設定変更で児童向けのものに変えることができ、多様な年齢の子供にも活用することができることが分かりました。

図4
編集部注)設定により、児童向けの背景に変更できる。

Q.今後バージョンアップする際には、どのようなことを望まれますか?

A.発達障害などの特性のために集中の持続が困難な児童が多いため、1タスクごとの問題数を減らして、最後まで取り組んで「できた!」という達成感を味わわせたいと考えています。同じ要素で問題の難易度が少しずつ上がっていくと、挑戦しようとする意欲にもつながってよいと思います。
また、拗音・長音・撥音・促音の他に、カタカナ版があると良いです。カタカナの特殊音節を使った語彙も多いため、ひらがな同様にトレーニングできるようになると良いと思います。