教育オピニオン
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ゴールデンウィーク前・中・明けに取り組みたいダンドリ術
大阪市立みどり小学校村上 仁志
2020/4/20 掲載

 4月下旬は参観や懇談会が終わってゴールデンウィークが目の前になり、ようやく一息つける時期です。新しい学級の人間関係に慣れ始めた子どもの実態(本性)も見えてきます。年間を通した目標を定め、日々の実践に取り組みましょう。
 本稿では、お休み前・中・明けに取り組むダンドリ術をお伝えします。まずは「子どもに寄り添う学級経営のためのお休み前からのダンドリ」、そして「学級のことが頭をよぎるお休み中のダンドリ」、さらに「誰もが取り組むべきお休み明けからのダンドリ」。これらは、ゴールデンウィークに限らず、長期休暇の前・中・明けに取り組むこともできます。また、教師の力量を飛躍的に高めることにもつながります。
  

子どもに寄り添う学級経営のためのお休み前からのダンドリ

 1年間で学級の子どもたちを「最高の子ども像」(年間の目標)に近づけられる方法を、逆算的に考える。これを教育のバックキャスティング(逆算思考)といいます。これに取り組むことで、最高の子どもに育てるための階段が見えてきます。
 最高の子ども像を見つける先生と子どもの共同作業では、バックキャスティングを行うために、ソクラテス式対話法で対話してみましょう。

図1

 学校におけるソクラテス式対話法とは、先生が子どもから教えてもらう立場をとる対話法です。考える主導を子どもに委ね、子どもから出た考えをまとめることで、子どもの自律を促すことができます。
 先生がソクラテス式対話法を通じて、子どもに教えてもらう姿勢を練習することで、子どもの考えを引き出し、自律へと導く指導を身につけることができます。

学級のことが頭をよぎるお休み中のダンドリ

 子どもの様子や懇談会の話を踏まえ、先生が「子どもたちがこうなるといい」と思う理想をノートに書きます。
 例えば、「先生が話をしているときは最後まで聞く」とします。日々の実践では、「話の途中で割り込みをされると嫌だよね。先生など人が話をしているときは、終わってから手を挙げて話をしようね」と毎日伝えます。そして、話が終わって手を挙げている子どもを褒める。それが子どものルールを守る動機づけとなります。これにより、子どもの言動が少しずつ変化していきます。「変化に気づけば即座に褒める」。ここがポイントです。
 理想が浮かばないときは、余裕がないときです。そのときは、自分がストレスを感じている子どもの言動を挙げてみましょう。そのストレスを解決することが心の余裕につながり、子どもに目が行き届くようになります。

図2

誰もが取り組むべきお休み明けからのダンドリ

 学級のことが気になりながらも、気がつけばお休み明け。「教師である自分が不登校になりそう」。そう感じてはいませんか? 子どももお休み明けは同じ気持ちでしょう。
 特に長期のお休み明けは、子どもたちは学級のルールを忘れがちで、トラブルにつながりかねません。そこで一番効果がある指導は、挨拶・言葉遣い・時間・掃除(雑巾の始末)です。

図3

 これらのダンドリは、「先生が計画的に考えて我が子に関わってくれたのだな」という説得力を与え、保護者の信頼につなげることもできます。この体験を積むことで、教師としての成長につながっていくことでしょう。

村上 仁志むらかみ ひとし

1977年生まれ。大阪府出身。小学校教員として理科を教えながら、地域の教員の指導力向上を促進するコア・サイエンス・ティーチャーとして活動。教員として働きながら、大学院に通って臨床心理士の資格を取るという異色の経歴の持ち主。
近年は、遊びの要素を取り入れながら学びを深めるエデュテイメントを実践。子どもたち自身が漫才を通じて環境問題について学びを深める「エコ漫才」に力を注ぐなど、伝統芸能をミックスしたユニークな授業を行っている。
メディアにも注目され、雑誌や新聞に監修記事や取材記事が掲載されること多数。エネルギー環境教育に関する論文は優秀賞受賞(主筆)。著書に『小学校学級担任のダンドリ仕事術』(学研教育みらい)、『教職1年目の働き方大全』(一部執筆, 明治図書出版)がある。
村上仁志ホームページアドレスは、https://jinta7.wixsite.com/japanesemurakami

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