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保護者の心をぐっとつかむ!保護者会のポイント
埼玉県滑川町立月の輪小学校城内 君枝
2020/3/15 掲載

 保護者と信頼関係を築くとは 


 4月、新しい子どもたちとの出会いは、教職経験が何年たっても緊張するものです。だからこそ、私たち教師は児童、生徒の名前を覚えたり、学級のルール作りをしたり、万全の準備をして出会いの日を迎えようとします。では、保護者との出会いは、どうでしょうか。子どもたちとの出会いほど、準備には取り組んでいないのが実情じゃないでしょうか。一方の保護者側は、「今年の先生は、どんな先生なんだろう」と期待と不安をもって、初対面の場である保護者会に臨んでいます。また、子どもとの出会いは、たとえ、思った通りできなくても、日々の指導で、挽回可能です。しかし、保護者は、顔を合わす機会は少ないからこそ、第一印象が大切です。だから、第一回目の保護者会では、教師のことを知ってもらうことが、信頼関係を築く上で欠かせないでしょう。
 また、保護者同士の関係を築くことも、円滑な学級経営のために大切です。保護者会でグループワークを行うと、同じグループになった保護者の子ども同士が、友達になることがあります。保護者同士が顔見知りになることで、子どもの交友関係が広がっていくことは、よく見られる効果のひとつです。学校ボランティアに一緒に参加したり、休みの日に家族同士で出かけたりするなど、保護者同士の交流も始まるでしょう。あるいは、学級内でトラブルが生じて、当事者同士が連絡を取り合わなければならない場合にも、まったく知らない保護者よりも、顔見知りの方が心理的な不安が和らぐでしょう。円滑な学級経営は、保護者の信頼を得るとともに、保護者同士の関係を築くことがポイントになります。 

 保護者会の流れ&ポイント 


 保護者との信頼関係を築くための保護者会は、どのように実施したらいいでしょうか。第一に、保護者に教師のことを知ってもらうため、初対面の保護者が多い第一回目の保護者会では、担任教師の自己紹介を必ず行います。その際に、質問コーナーを交えるなど、交互に交流する場を設けると、和気あいあいとした雰囲気になります。第二に、大勢の中で発言することは、誰でも話しにくいものですから、4、5人のグループで話す活動を取り入れるといいでしょう。第三に参加した保護者に、参加してよかったと思ってもらいます。そのためには、保護者同士が語り合うことで、同じ子育ての悩みを共有したり、他の家庭での情報を聞いたりすることが効果的です。それに加え、時には、教師自身が読んだ本や参加した研修会で得た教育や子育てに関する知識を保護者会で伝えることも大切だと考えます。そこで必要なのは、保護者にありがたいお話を聞かせることではなく、教育の専門家として学ぶ教師の姿を知ってもらうことです。そのような姿勢も、保護者から信頼を得るためには必要でしょう。

 保護者会でのおすすめグループワーク 


 それでは、以上のことを考慮して、おすすめする内容を下記にまとめてみました。

表1

表1 保護者会の内容

 保護者と担任の関係、保護者同士の関係を作っていくことは、子ども同士の人間関係づくりと同様に、大切だと考えます。グループワークでは、保護者もはじめは緊張した表情ですが、どんどん笑顔に変わっていきます。そして、会話がやむことがなく、とても盛り上がります。一方的に話を聞くだけの保護者会では、あまり見られない光景です。
 学校の実態に応じて、できそうなところから取り入れていただければと思います。

城内 君枝じょうない きみえ

兵庫教育大学大学院連合教育学研究科(上越教育大学所属)博士課程教育学専攻修了 博士(学校教育学)
小学校教諭の経験から、保護者と学級担任との関係について、2004年から大学院で研究を始める。主な著作に「学級担任による保護者との信頼関係づくりの工夫」(日本学校教育学会『学校教育研究』30)、『これらからの学校教育を担う教師を目指す─思考力・実践力アップのための基本的な考え方とキーワード』(学事出版)の「保護者との連携」を分担執筆など。

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