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学級通信は手間がかかるかもしれませんが、子どもと保護者と教師の架け橋になります。毎日出すと「今日の学級通信は?」と保護者と子どもの会話のキッカケとなり、忘れ物が少なくなる等の成果もありました。私は学級経営のキーポイントに学級通信を位置づけています。
ここでは、夏休み前に出す学級通信のポイントについて書かせていただきます。
1 事務連絡を大切に 〜読み手の立場に立って〜
学級通信に掲載する内容は、大きく4つに分けられると思います。
(1)学級経営の方針とその具体的実践
(2)子どもの学校での様子
(3)事務連絡
(4)その他(私のお気に入りベスト10、自己紹介、クイズなど)
夏休み直前号では(1)と(3)が主軸です。特に事務連絡は、どうしても読んでほしいところです。しかし、保護者は忙しく、配布されるプリントの数も多いので、「読む価値なし」と判断されると、大切なことがスルーされてしまいます。
保護者の思いは 不安→不満→怒り の順にあらわれます。
「この先生は、何を言いたいのかなあ? 大丈夫かなあ?」(不安)
「となりのクラスの先生は熱心なのに…」(不満)
「この担任ではダメだ! 学校は何をしている!!」(怒り)
不安を安心感に変えていくことが大切です。学級通信は「学級通信という名のおたより」。読み手の立場に立って、大事なところを目立たせたり、レイアウトを工夫したりして「読みたくなる通信」にしましょう。
実例1
2 夏休み前の通信のポイント
<ポイント1> 「感謝」と「伸び」をあらわそう
安心感をもってもらうためにも、「感謝と伸び」をあらわしておきましょう。保護者への感謝は、学期末の授業参観や学級懇談会の出席へのお礼とともにだすといいでしょう。
イベントや日々の生活・学習を通して、子どもたちは成長しています。成長しない子どもはいません。学級としても成長しています。課題もあるでしょうが、まずは子どもが伸びたことをあらわしましょう。
<ポイント2> 「始業式に全員と会いたい」 目的意識をはっきりさせよう
終業式に渡す学級通信では「始業式に全員と会いたい」ということを前面に押し出します。
目的意識です。運動場で遊ぶためのルールを考えてみてください。「ボールはこの方向に投げます」「ここは○年生の場所」「横切ってはいけません」どんどんルールばかりが増えます。次々に「この場合はどうなる?」と新しい問題が発生します。PDCAサイクルで言えばDばかり。目的がどこかにいってしまい、方法論ばかり論じても解決には至らず、不安→不満→怒りのサイクルになってしまいます。
「始業式に全員と会いたい」という目的を明確にすることで、「そのためにはどうしたらよいか?」Pがうまれます。Pがたくさんあれば、それに伴ったDがうまれてくるのです。
<ポイント3> Pを箇条書きで掲載しよう
学級活動の1学期の振り返りや夏休みの過ごし方についての話し合いで出てきた意見を箇条書きにして知らせましょう。健康・安全、生活、学習に項目を分けて、キーワード(キーセンテンス)を決めておくといいでしょう。例えばこのような感じです。
健康・安全…「自分の生命は自分で守ろう」
生活…「夏休みをひきずらないようにしよう」
学習…「ちょっとした成長を見せよう」「ふだんできないことにチャレンジしよう」
「ちょっとした成長を見せよう」だから「毎日計算の練習をする」「勉強してから遊ぶ」などのPがたくさん出てきます。それをもとにして、個人のめあてを考えさせていきます。教師側から与えると「朝は7時までに起きなさい」「1時間は勉強しなさい」のように「さい」ばかりになります。「こんなことをしたい」と「たい」が泳ぐ夏休みにしたいものです。
実例2
<ポイント4> ユーモアを入れよう
学級通信で書くべき4つの中の「その他」もできれば入れたいですね。「私(教師)の夏休み(想像)」とか「夏バテになっていないかチェック」など、ユーモアをちょっとスパイスに。笑いは元気のもとです。
実例3
実例4