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生徒の考えを手軽に表現!「はがき新聞」づくりのススメ
北海道函館市立亀田中学校川端 裕介
2018/12/15 掲載
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 学級担任をしていると、児童生徒に作文を書かせる機会が多くあります。ただ、指導に十分な時間を割くことができず、「もっと良い作品を書かせたい」と思う時はないでしょうか。そのような時に、作文に代えてはがき新聞づくりを行うことを勧めます。

1 「はがき新聞」づくりのおススメポイント
 はがき新聞とは、生徒の手書きによるはがきサイズの新聞形式の作品の総称です。公益財団法人理想教育財団が原稿用紙の助成や普及活動を行っています。理想教育財団の説明には以下のようにあります。

『はがき新聞』とは、はがきサイズやそれより少し大きなサイズの、新聞形式の原稿用紙を使った作文です。新聞形式の、相手意識と目的意識を持たせたコンパクトな作文なので、生きた言語活動としてさまざまな場面で活用できます。見出しを考えることでまとめる力もつきます。楽しくイラストなどを入れたり、文字の飾りや着色を工夫したりすることもできます。しかもコンパクトなサイズなので制作に時間もかからず、苦手な学習者でも楽しく取り組めます。はがき新聞を取り入れることで、子どもの豊かな学びが期待できます。

(理想教育財団のホームページより引用)

 私の場合は、はがき新聞には4点の良さがあると考えます。1点目に、新聞の特色を生かせる点です。見出しがあり、トップ記事やセカンド記事などの内容の軽重をつけることができるので、何が大事か一目でわかります。
 2点目に、作成時間の短さです。はがき新聞の文字数は一般的なサイズであれば400字に満たないほどです。そこで、新聞の基本的なレイアウトや約束事がわかれば、30分ほどで完成します。
 3点目に、表現力が向上します。作文では、文章が冗長になることがあります。しかし、はがき新聞では見出しが必要で、文字の制約があるため、思考が整理されて主張が明確になります。
 最後の4点目が、デザインの工夫ができる点です。文章表現が苦手な児童生徒も、意欲的に取り組むことができます。

2 「はがき新聞」づくりの手順と指導のポイント
(1)レイアウトと記事の構想
 まずは構想を練ります。「合唱コンクールを振り返って」「3学期の抱負」などのテーマに沿って、トップ記事とセカンド記事の概要とレイアウトを決めます。
 さらに、新聞の題名も考えます。題名も単純に「〜新聞」などとせず、学級通信のように思いを込めた題名にすると良いでしょう。

(2)記事の執筆
 構想が固まったら執筆に移ります。執筆では、次の3点に留意しましょう。1点目は、要点を絞ることです。書ける文字数が意外と少ないことを意識させましょう。
 2点目は、最も伝えたいことを的確に見出しに表現することです。記事を書き終わってから見出しを考えた方が、的確な表現になります。
 3点目は、見出しや全体のデザインに工夫を図ったり、イラストを描き足したりすることです。読みやすく見栄えのする作品になります。

(3)記事の執筆
 作品が完成したら、交流をしましょう。交流の時間を設けるのが難しい場合は、掲示するだけで十分です。私の場合は、すべての作品をクリアポケットに入れて掲示しています。また、優れた作品を学級通信に掲載するのも良いでしょう。
 交流によって、児童生徒は読みやすくする工夫などの技術をお互いに学びます。さらに、学級の仲間の考えを知ることで、相互理解が進み,支持的風土の醸成につながります。
 生徒が楽しみながら作成できるのが、はがき新聞の良さです。ぜひ、試してみてください。

3 「はがき新聞」実例紹介

はがき新聞1

 1つ目は、函館市立亀田中学校の森遥菜さん(平成28年度卒業生)の作品です。テーマは、3学期に向けての抱負です。卒業までのカウントダウンを懐中時計のイラストで表現するなど、デザインが秀逸です。

はがき新聞2

 2つ目は、函館市立亀田中学校の蠣ア茉惟さん(平成28年度卒業生)の作品です。テーマは「未来のはがき新聞」で、2月に、1か月後の卒業の日の様子を想像して書かせました。デザインに加え、学級への思いが伝わる、すばらしい作品です。

川端 裕介かわばた ゆうすけ

現在、北海道函館市立亀田中学校に勤務。
1981年札幌市生まれ。北海道教育大学札幌校大学院教育学研究科修了(教育学修士)。平成29年度からNIEアドバイザーを務める。
学級通信を学級経営に活用し、第13回「プリントコミュニケーションひろば」にて最優秀賞・理想教育財団賞、第49回「わたしの教育記録」にて入選などを受賞。著書に『豊富な実例ですべてがわかる!中学校クラスが輝く365日の学級通信』(明治図書出版)がある。

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