教育オピニオン
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研究発表会を100倍有意義にする!タイプ別勉強術
東京都小金井市立緑小学校西野 宏明
2015/11/13 掲載
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  • 教師力・仕事術

1 ご自身のタイプに合った方をお読みください

 研究会へ参加するにあたり、ご自分はどちらのタイプでしょうか。

A 自らの意志で申し込み、ガンガン学ぶ意欲がある!
B 近くの学校が研究指定校だから、義務として観に行く…。できれば教師力を高めたいと思っているが、その方法がよくわからない。

 どちらがいい悪いということはありません。
 学び方には、人それぞれタイプ、段階があるからです。
 Aを選んだ先生、2〜4は読み飛ばして5以降をお読みください。「釈迦に説法」だからです。2〜4の内容については、すでに実践されていることでしょう。
 さて、Bを選んだ先生、2から読んでみてください。
 教師力を高めるヒントが見付かるかもしれません。

2 授業中にメモする! 代案編

 授業を参観していて、次のように感じることはありませんか。
「ええ…、この発問じゃ、私だって答えられないよ。子どもでは、もっと無理でしょ」
「いつまでこの発表が続くのかしら。退屈だな…」
 つまり、教室の空気が重く、子どもが集中しておらず、先生も楽しんでいない授業です。
 そんな場合はどうしますか。
 別の学級へ行く。
 ごもっともです。
 しかし、それ以外に実はやることがあります。
 それが、代案メモです。
 もしも、自分がこの単元、この授業をするときには、どんなねらいをたて、どんな構想のもとに、どんな指導過程を踏み、どんな発問をし、どんな活動を取り入れるのか、代案(代わりの案)を書くのです。
 いただいた指導案とにらめっこしながら、どんどんメモしていくのです。
 子どもが「やりたい!」と思える授業にするには、どうしたらいいのかをリアルタイムで考えるのです。
 代案がすぐに浮かぶような先生は、3、4を読む必要ありませんので5へ。
 なかなか浮かびそうもない先生は、次の3が参考になるはずです。

3 授業中にメモする! 追実践編

 授業を参観していて、次のように思えたらラッキーです。
「この先生の授業おもしろいな〜」
「この授業やってみたいなー」
「この学級の子達、なんかいいな。明るいし、やる気があって」
 研究会に参加して、マネしたいと思える授業、学級、先生と出会えたら最高です。来た価値ありです。
 さっそくやることがあります。
 メモです。自分の学級に取り入れたい、やってみたいことをどんどんメモしていきます。
 「自分の学級でこれをしたら、こうなるだろうな」とワクワクしながら書きまくります。

4 追実践編 次の日に必ず実践する

 ここからが重要です。さて3でメモをしたことをどう生かすか。
 翌日に絶対、必ず、確実に実践しましょう。
 これを追実践といいます。
 「いつか」はやってきません。テンションがホヤホヤのうちに行うのです。
 すぐに帰って、明日のどの時間に、どうやって取り入れるか構想を立てましょう。1つからでもいいので実践します。
 当然、自分の学級の子、環境に合うように応用、改良します。
 この繰り返しが教師力(授業力)を向上させます。
 2でなかなか代案が浮かばなかった先生も、追実践を繰り返していけば技が身に付いていきますので、どんどん案が浮かんでくるようになります。

5 その学級の雰囲気(空気、ムード、テンション、オーラ)をもち帰る

 すばらしい学級と出会ったら、もう1つラッキーなことがあります。
 それは、その学級の雰囲気(その集団が作り出す独特の世界)をもち帰れることです。
 一度味わった「こんな学級にできたらいいな!」という感覚は忘れることはありません。
 感覚には再現性があります。
 4で述べた追実践をしたり、サークルで勉強したりするうちに、いつしか実践していく中で「あのイメージに近いかも!」と感じるようになります。
 加えて、学級の雰囲気は先生の在り方が反映しますので、「どうして、あの先生はあんな空気を作れるのだろうか」と考え、自分の人間力を高める努力の必要性にも気付くはずです。

6 すごい先生を発見したら!

 「すごい!」と思える先生の授業を観る機会を得た先生。
 自分の教師力を飛躍的に高めるためにもう1つやることがあります。
 すぐに声をかけに行きましょう。
 研究発表で忙しそうであれば、まずその先生の名前をインターネットで検索しましょう。有名な実践家であれば、著書、セミナー、サークル活動などを行っているはずです。
 そこまでしたら、手紙を出しましょう。
 お礼、感想とともにお願いを記すのです。セミナーやサークルに参加して指導を受けさせてもらうのです。
 サークルでは、自分の実践のレポート、映像を見てもらいましょう。
 自分では全く気付かなかった視点を与えてくれるはずです。この時点で、その先生は師です。師匠をもつことは、教師力を高める最捷径(さいしょうけい:最も近道)です。

7 結局は自己を見つめること

 2からお読みいただき、気付かれたことはありますか。
 つまり、人の学級を観て学ぶということは、自分の学級、授業を振り返り、見つめなおすということなのです。
 研究会を通して、人の実践から学ぶこともたくさんあるのですが、結局は自分の実践はどうなのかを振り返る機会になります。
 このことを大事にしてください。

西野 宏明にしの ひろあき

 1983年東京都八王子市生まれ。
 2006年立正大学心理学部臨床心理学科卒業。
 2008年玉川大学教育学部(通信)卒業。
 2009年東京都八王子市立川口小学校勤務。
 2014年東京都小金井市立緑小学校勤務。

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