- 算数熱中授業づくり
- 算数・数学
熱中授業づくりのポイント
- 誤概念を含む問題提示
- 「他の場面に置き換える」という方法で説明する場を設ける
- 「共通性を探る」ことで割合の概念を自然に獲得させる
1 誤概念を含む問題提示
5年「割合」の導入教材です。正しい概念に基づく「倍による比較」と、誤概念に基づく「差による比較」を提示し、2つを対峙させてその妥当性を吟味する中で、割合の概念を獲得させていきます。
下のチョコ棒はMサイズです。
全体30cm、チョコ20cm
いま、全体の長さが45cmである、Lサイズのチョコ棒をつくろうとしています。アとイどちらの長さだけチョコをぬればよいでしょうか。
全体45cm、チョコ30cm
全体45cm、チョコ35cm
アは「倍による比較」であり、イは全体が15cm伸びたからチョコも15cm伸びるという「差による比較」です。
●倍による比較
全 体:45÷30=1.5(倍)
チョコ:30÷20=1.5(倍)
●差による比較
全 体:45−30=15(cm)
チョコ:35−20=15(cm)
2 「他の場面に置き換える」という方法で説明する場を設ける
下のように、「他の場面に置き換える」という方法で、それぞれの比較の仕方が適切か否かを説明する場を設けます。学習内容の理解とともに、このような問題解決力を子どもに身に付けさせることも意識したいものです。
●差による比較に関する説明
●倍による比較に関する説明
3 「共通性を探る」ことで割合の概念を獲得させる
「倍による比較」が妥当であると判断されたら、次は、倍の方法で様々なサイズのチョコ棒をつくり、その全体の長さとチョコの長さの共通性を探らせます。
C 全体の長さがチョコの長さの1.5倍になっているということ。
全体÷チョコ=1.5
C チョコの長さが全体の長さの2/3倍になっているということ。
チョコ÷全体=2/3
この授業では、「サイズが変わっても変わらないものは何か」を考えさせる活動を通して、割合の概念をより自然に獲得させようとしました。
このような、「共通性を探る」という方法も、子どもに身に付けさせたい問題解決力の重要な1つです。