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高校入試、英語の「話す」力をどう評価する
教育zine編集部阿波
2020/2/29 掲載

 2月から3月にかけて、全国の公立高校の入学試験が実施されます。

 大学入試では、センター試験に代わる大学入学共通テストにおいて、英語民間試験の導入が延期になりましたが、民間試験の活用は、英語の4技能「読む」「聞く」「書く」「話す」をバランスよく評価したいということが背景にありました。
 今回は、高校入試における4技能の評価、特に紙のテストでは測れない「話す」の評価についてどのような取り組みがあるかをまとめてみたいと思います。

福井県の取り組み

 福井県の県立高校入試では、2018年度入試から、取得している英検の級に応じて英語の得点に加点する制度を実施しています。英検3級以上にはスピーキングテストがあるため、英検の導入により4技能のうちの「話す」の評価をすることがねらいです。
 英検3級5点、準2級10点、2級以上15点を加点するということでスタートしましたが、翌2019年には、どの級でも一律5点の加点に見直されました。
 そして昨年11月、2021年度からの英検による加点を廃止することが決まりました。
 理由としては、加点による合否への影響がほとんど見られなかったことや、「話す」と他の3技能には相関があることがわかったためとされています。
 また同時に、2021年度入試から導入予定だった独自のスピーキングテストも、見送りとなりました。これはまさに「話す」力を測ることがねらいでしたが、民間業者による試行テストの結果、コストや採点の期間に課題があると考えられたためのようです。

大阪府の取り組み

 大阪府の府立高校入試では、2017年度入試から、英語の4技能のバランスよい学習を入試問題で具現化するという趣旨のもと、英語の入試問題を大きく改革しました。
 それまで全体の配点に比して「読む」の比率が半分以上をしめていたところ、「聞く」を約33%、「書く」を約20%にし、残りの「読む」とのバランスをとるというものです。
 また、英検などの民間試験も同様に「4技能を養うための試験」であるということで、民間試験の結果を入試得点に読み替えるということも行っています。福井県のように明確に「話す」を評価するための手段とまでは言及されていませんが、結果的に「話す」も含めた4技能の試験の結果が、得点に反映されることになります。
 例えば英検2級を取得している場合、読み替え率は80%で、入試の満点に対して80%の得点があるものとみなされます。準1級であれば、100%の読み替えです。
 入試当日の英語の点数を比較してよいほうが英語の得点になりますので、受験生にとっては大きな安心材料になることでしょう。

東京都の取り組み

 東京都の都立高校入試では、2022年度入試から、「話す」を評価するためのスピーキングテストを行うことが決まっています。中学3年時の11〜12月に実施され、受検機会は1回のみで、費用は全額東京都が負担するようです。
 2019年度中に東京都内の中学3年生から8000人を抽出してのプレテスト、2020年度中に中学3年生全員対象の確認テストを行い、2021年度中に本番のスピーキングテストを行います。その結果が2022年度入試に活用されることとなりますが、まだ具体的な活用方法は公表されていません。
 プレテストについては2019年の11〜12月に実施され、その問題が先日公表されました。

 上述の福井県ではスキーキングテストが試行テストの結果見送りとなっていますが、福井県では、この東京都の取り組みを参考にするとも述べられていました。
 東京都のプレテストの結果が今後どのように分析され、実現に向けてどのように進んでいくのか、引き続き注目したいと思います。

 紙のテストでは測れない「話す」力。
 それをどのように育て、どのように評価するのか。今後どのような取り組みが生まれるか、楽しみにしたいと思います。

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