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学びの革新プラン―遠隔授業推進でSociety5.0の新時代に向けた教育のバージョンアップ
教育zine編集部城野
2018/11/30 掲載
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 今月22日、柴山文部科学大臣より、「新時代の学びをさせる先端技術のフル活用に向けて〜柴山・学びの革新プラン〜」の発表がありました。柴山・学びの革新プランとは、

(1) 遠隔教育の推進による先進的な教育の実現
(2) 先端技術の導入による教師の授業支援
(3) 先端技術の活用のための環境整備

の3点を政策の柱とし、教師を支援するツールとして先端技術をフル活用し、すべての児童生徒に対してSociety5.0の時代を見据えた質の高い教育を実現することを目指すというものです。

■Society5.0の新時代
 内閣府は、2016年1月に策定された第五期科学技術基本計画にて、Society5.0について我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱しています。

Society5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)として、新たに目指すべき社会である。

 Society1.0(狩猟時代)、Society2.0(農耕時代) 、Society3.0(工業時代)と経て、Society4.0(情報社会)となった現代社会では、科学技術の急速な発達により便利な世の中へと変わってきましたが、一方で、大量のあふれる情報から人の手で必要な情報を正確に取捨選択するということに限界があるのが現実です。そのため、分野横断的な情報の伝達・共有が不十分であるという課題があります。
 Society5.0の新しい時代では、IoT(Internet of Things)で全てのモノと人がつながることや、センサーで情報を感知・収集し、AI(人工知能)によってビックデータから必要な時に必要な情報が手に入るような最新テクノロジーを活用した社会が想定されています。今後の教育現場では、Society5.0という便利な超スマート社会の中だからこそ、人と人との関わりあいの中で人間としての強みを伸ばしていくことが、一層重要になると考えられます。

■遠隔教育がもたらす効果と実現に向けて
 今後、Society5.0に対応した教育へのバージョンアップを図るため、柴山・学びの革新プランを基に具体策の検討に入るそうです。今回の発表に先立って、今年9月、文部科学省は、「遠隔教育の推進に向けた施策方針」を公開しており、遠隔システムが教育現場において効果を発揮する基盤整備の推進を求めています。この方針の中で、遠隔授業(授業の中で遠隔システムを活用するもの)が効果を発揮する学習場面や活動等を類型化し、例示してあります。
具体的には、
・小規模校同士や、分校と本校、離島の学校など複数の遠隔での授業をつなぐこと(「合同授業型」)
・専門性の高い英語のネーティブスピーカーやプログラミングに精通した教員などと協働して授業を行うこと(「教師支援型」)
といった場面での活用が想定されています。
 また、個々の児童生徒への対応にも、遠隔教育が重要な役割を果たすことが想定されており、
・不登校児童生徒に対するICTなどを活用した学習機会の充実
・病気療養児に対する遠隔授業の充実
などの効果が期待されます。
 このような遠隔教育の実現に向けては、教師の授業支援、環境整備も急務とされています。学校・教育委員会間の情報共有、学校のICT環境の整備、関係する民間企業や大学等と連携した先進技術導入のための環境の構築が必要です。文部科学省では、2020年早期までにすべての小中高校での遠隔授業を実現することを目標に、具体策について来年6月までには取りまとめを行い、必要な措置を講じていきたい考えです。Society5.0への動きが教育現場にも広がり、教育現場での授業風景も大きく変わることになります。今後の動きにも注目していきたいと思います。

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