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全国学力テスト予備調査 4技能「統合型」も出題
教育zine編集部 油布
2018/7/31 掲載

 5月1日〜31日に行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の英語予備調査の問題と正答例を国立教育政策研究所(NIER)が公開しました。
 これは2019年度から3年に一度、英語の「4技能(読む・聞く・書く・話す)」の調査が導入されることを受けて行われた予備調査で、全国の公立中学校から抽出された136校の中学3年生を対象に実施されました。この調査では、2技能以上を統合的に活用する「技能統合型」の問題も出題するとされており、その問題内容にも注目が集まっていました。ここでは改めて、今回の実施された英語予備調査の問題内容を見ていきたいと思います。

「話すこと」はパソコン使用!「聞いて」話す問題が出題

 「話すこと」のテストは、パソコン等の機器を使って、音声を吹き込む方式(口述式)で行われました。パソコンを使ってのテストという特性を生かし、イラストを見ながら短い英語の質問に答える問題では、イラストだけでなく動画を使用した問題も出題されているのが特徴的です。また、対話を聞いた後その対話を踏まえたうえで自分も対話に参加し質問をする問題や、海外の姉妹校の生徒に自分の学校について30秒で紹介する問題も出題されました。学校紹介に関しては1分間考える時間が与えられましたが、対話を聞いて対話に関する質問をする問題は「聞いて」内容を把握したうえで,すぐに「話す」ことが求められており、よりリアルなコミュニケーション能力が測られていると感じました。

「聞くこと」では聞いて「書く」問題も

 「聞くこと」では放送内容に最も適しているイラストを選ぶ問題、図を見ながら放送の内容を理解する問題など、放送を聞きながら図やイラストから情報を読み取る問題が出題されたほか、放送される先生の提案を聞いてそれに対する自分の考えを「書く」問題も出題されました。情報を聞き取り、把握するだけでなく、把握した内容について自分の考えを「書く」ところまで求められており、「聞く」だけだった従来までのリスニングと大きく異なります。

「読むこと」でも「書く」問題が出題

 「読むこと」では英文を読んで当てはまる単語や図を選ぶ問題や、まとまりのある文章を読んで要点を把握する問題、ホームページに記載された情報から必要な情報を選び出す問題など情報を読み解く問題が出題されたほか、新聞記事を読んでそれに対する自分の意見を書くという、把握した内容について自分の考えを「書く」問題も出題されました。日常的な場面で資料などから情報を読み取るという定番の読み取り問題に加え、読み取った内容について自分の考えを述べるというところまで一歩踏み込んでいるのが印象的です。

「書くこと」は資料を「読んで」書くなど定番の問題

 「書くこと」では文法的な知識を問う選択問題や適文補充、表をもとにした紹介文の作成などのほか、外国人観光客向けに日本らしいお土産を紹介するパンフレットを作成するなどの問題が出題されました。「書くこと」に関しては、比較的これまでの多くの県立入試などで出題されている問題と傾向が変わらず、与えられた場面や条件、資料などをもとに適した文章を書くという問題でした。

 今回、時間を区切って「読む・聞く・書く・話す」それぞれのテストが行われましたが、すべての技能において技能統合型の問題が出題されていました。複合的に技能を活用する力、情報を把握し、その上で自分の考えを「表現する」というような実践的な技能が重視されていると感じます。
 2020年度からは小学校では英語が教科化し、大学入試でも4技能が求められるようになります。中学校は一足先に2019年度から全国学力・学習状況調査に4技能の調査が導入されるということで、より実践的な英語教育へと本格的に進みだしました。これからの英語教育はどのように変化していくのでしょうか。今後の動向に目が離せません。

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