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都立高校入試に英語のスピーキングが導入!
教育zine編集部 菅野
2017/12/31 掲載

 すでに多くのメディアで取り上げられている通り、東京都立高校の英語の入試に「スピーキング」の検査が導入されることになりました。ここでは、東京都教育員会が、14日に発表した「東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書」をもとに、いつからどのように導入されるのかということと、全国的な展開が考えられるのか、また、今後の英語の学習方法がどうなるかについて考えていきたいと思います。

いつから導入されるのか?

 上述の報告書の<想定スケジュール>(下記に転載)によると、まず、平成30年にフィージビリティ調査(実現可能性、実施意義、妥当性の調査)をおこない、平成31年以降にプレテストや一部実施、拡大実施と進行していくようです。

図

どのような検査で、どのように実施するのか?

 具体的な検査内容や検査形式までは言及されていませんが、次のような記載があります。

・新学習指導要領の実施後は、
 「話すこと[やり取り]」
 「話すこと[発表]」
 の両方の領域の能力を測る出題を検討すべきである。
・「話すこと」の検査を導入するに当たっては、
 民間の資格・検定試験実施団体の知見を活用する
 ことが有効である。

赤色の文字は教育Zine編集部にて強調した部分です。

 また、面接を実施する場合のこと、タブレット端末やパソコン等の機器で実施する場合のことにも触れており、多様な検査形式に対応できるように検討が進められていることがうかがえます。
 民間の検定試験の例として、日本英語検定協会が実施している実用英語技能検定、いわゆる英検の検査形式をみてみると、3級は個人面接形式、4級・5級はパソコン、スマートフォン、タブレット端末などから、インターネットを通じて受験する形式であり、英検の検査形式なども参考にして、まとめられていくものと予想されます。

スピーキング「も」重要!

 中央教育審議会が平成26年12月22日にまとめた「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)」では次のように述べられています。

英語において4技能を系統的に育成するため、小学校から高等学校までを通じて達成を目指すべき教育目標を、
 「英語を使って何ができるようになるか」
という観点から、4技能に係る一貫した具体的な指標の形で設定すること

赤色の文字は教育Zine編集部にて強調した部分です。

 つまり、今回のスピーキングの検査の導入は、「スピーキングを重視する」流れととらえられそうですが、あくまでも英語の4技能をバランスよく学習するという点が出発点です。
 文科省が平成27年6月5日に発表した「生徒の英語力向上推進プラン」においても、全国的な英語4技能の学力調査を平成31年度に実施する(平成30年度は予備調査)ことになっており、また、すでに大阪府では平成29年3月実施の高校入試において、4技能をバランスよく評価できるとして、民間の検定試験を活用した検査を導入しています。
 今後ますます4技能をいかにバランスよく学習するかということがポイントになってきそうです。

全国的な展開が考えられるか?

 高大接続の話題からも、高校入試においても4技能をバランスよく検査するという流れは、全国的なものになると予想されますので、まず、都道府県の教育委員会の動向を注視することが重要と思われます。
 スピーキングの検査が導入されるなどの重要な内容については、今回の東京都のように、十分な対策ができる期間をとって発表されるはずですが、CAN-DOリストのモデルを公表している都道府県もありますので、どのような内容なのか、また更新されるなどの動きがあるかどうかも、参考になりそうです。
(文部科学省「各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定のための手引き」)

今後の英語の学習方法は?

 ご存知の方も多いかと思いますが、英語教育協議会が運営(文部科学省 協力)をしている「えいごネット」では、4技能の学習のための教材や素材,ICTを使った事例や指導案などが紹介されており、参考になることも多そうです。
 また、スピーキングにおいては、人前だと気恥ずかしさが先に立ってしまい、なかなか発音に集中できないこともありそうです。そのような場合は、個人で練習する方法として、パソコンやスマートフォン、タブレットを使った練習も有効かも知れません。
 インターネットで「英語 音声認識」と検索をすると、スマートフォンやタブレットの音声入力を英語に切り替える方法や、有料のものから無料のものまで、様々なソフトを使う方法を知ることができます。
 最近のAI技術の発展などにより、今後ますます音声認識の精度も上がってくることは間違いありませんので、個人だけではなく授業においても、スピーキングの練習にとって効果的な環境が手に入りやすくなりそうです。

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