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小学校英語教育−諸外国の状況は?
教育zine編集部 石井
2017/9/30 掲載
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 2020年度からの小学校英語教科化に先立ち、2018年度から移行措置期間が始まります。教科化にともない様々な変化や問題点も危惧されていますが、世界の英語教育事情はどのようになっているのでしょうか。ここでは諸外国における小学校段階の英語教育の状況について、EF EPI ランキングとともに見てみます。

「EF EPI」は世界最大の国別英語能力指数レポート。
2016年度は、世界72ヵ国、95万人の成人が受験。

EF EPI ランキング 
・日本  35位(2016年)、30位(2015年)、26位(2014年)

・ドイツ        EF EPI 2016 ランキング 9位

導入時期:2003年(必修教科として導入)
開始学年:第1学年〜(州によって異なる)
授業時数:週2単位
教員  :一般に学級担任が担当。現職教員を対象とした研修プログラムあり。

・大韓民国       EF EPI 2016 ランキング 27位

導入時期:1997年(必修教科として導入)
開始学年:第3学年〜(州によって異なる)
授業時数:3,4年 週2単位、5,6年 週3単位
教員  :一般に学級担任が担当だが、英語専科教員の割合を高めている。国主導で、最低120時間の現職教員研修を実施している。

・フランス       EF EPI 2016 ランキング 29位

導入時期:2002年(必修教科として導入することを決定)
開始学年:第1学年〜
授業時数:週1〜2単位
教員  :2006年から小学校教員採用試験で外国語(口頭発表・質疑応答)を必修化。

・台湾         EF EPI 2016 ランキング 33位

導入時期:2001年(第5学年から必修教科として導入)、2005年(開始学年を第3学年に繰り上げ)
開始学年:第3学年〜(地域により異なる。台北市では第1学年から)
授業時数:週2単位時間程度
教員  :学級担任または、専科教員が担当。1999年に緊急措置として、専科教員を募集、研修をへて1000人を採用。

・中華人民共和国    EF EPI 2016 ランキング 39位

導入時期:2001年(必修化を発表し、段階的に都市部から導入)
     2005年(学年進行で、必修教科として基本的に実施)
開始学年:第3学年〜(地域により異なる)
授業時数:週4回以上(1回20分、40分の組み合わせ。3,4学年は20分が中心)
教員  :教科担任制のもとで、専科教員が教えている。各地方の行政単位で、夏季休暇や放課後に、教員研修機関での現職教員研修を実施。

 各国により実施状況に差はありますが、担当する教員の質、それを支援する研修制度については日本でも議論になっています。

 今年7月27日、文部科学省は学校教員の免許取得を目指す学生に、教職課程で外国語(英語、ドイツ語、フランス語その他の各外国語)の履修を義務づける省令改正案を公表しました。これによると平成31年度から実施される予定です。

 台湾の国民小学校では360 時間の研修が行われ、韓国では現職教員対象に最低120時間の現職教員研修を実施。中国では英語力向上科目、英語教授法理論科目、一般教育理論科目の3つの領域にわたり、教職就職後5 年以内に120時間12 単位の科目を履修する、などの事例もあります。

 また、学校のみでなく保護者や民間企業にも話は及びます。近年の英語力向上が著しい韓国でも、学校現場での教育に加えて実際には、子供の将来には英語が不可欠という親の意識から英会話教室や学習塾に通わせているケースが多々見られます。2010年の韓国の私教育費調査結果によると、一人当たりの月平均の英語にかける教育費は約8万ウォン(約6,400円)。そのような実社会における英語のニーズの高まりも英語力向上に貢献しているとの見方もあるようです。

 小学校英語教科化によって、今後日本でも様々な変化があると思われます。その動向を見守っていきたいと思います。

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