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今年は10月8日! 〜月食を観察してみよう〜
教育zine編集部大場
2014/9/30 掲載

 空気が澄んでくるこれからの季節、月の観察はいかがですか?
10月8日には、皆既月食を観察することができます。

●なぜ月食が起こるのか?
 月食とは、満月が欠けて見えたり暗く見えたりする現象です。
地球と月は太陽の光を反射して輝いています。そのため、太陽の反対側に影ができます。太陽−地球−月が一直線に並ぶ満月のとき、月が地球の影の中に入ると月食が起こります。月が影の中に入り始めると、月は左から欠けて見えるようになり(部分食)、完全に影の中に入ると暗く見え(皆既食)、また左から明るく見えるようになります(部分食)。
 ちなみに、太陽−月−地球が一直線に並び、月の影が地球に落ちて太陽が隠される現象が日食です。

●月食が見られる時間は?
 今年の月食はこのような時刻で変化する予定です。全国どこでも、同じ時間に見ることができます。

・部分食のはじまり … 18時14分
・皆既食のはじまり … 19時24分
・皆既食の最大 ……… 19時54分
・皆既食のおわり …… 20時24分
・部分食のおわり …… 21時34分

 ※部分食とは、月の一部が地球の影に入り込むこと
 ※皆既食とは、月全体が影の中に入り込むこと

●観察のポイント
 今年の月食は観察しやすい時間帯に起こります。また、月食は肉眼でも観察することができます。ぜひ空を見上げてみてください。また、生徒さんに観察を勧める場合、次のような点に着目すると普段とは違う月の様子を実感することができると思います。

1.月の満ち欠けとは何が違う?
 月は普段から約27日の周期で満ち欠けして見えます。月食は月の満ち欠けと何が違うのでしょうか。
 月の満ち欠けが起こる理由には、月が太陽の光を反射して光っていること、月の公転によって太陽と月の位置関係が変わることがあります。月の、太陽の光が当たって見える部分と影になって見える部分が変化することで、月の形が変わって見えます。
 月の半分には常に太陽の光が当たっているため、欠けた月の上下両端を結ぶと、月の中心を通るようになります。三日月や半月を思い出してみるとイメージしやすいと思います。
 月食の場合は月が地球の影に入ることで起こるため、このような規則性はありません。

2.月の色は何色?
 実は皆既月食のときでも、月が暗くなって完全に見えなくなることはありません。赤銅色という赤っぽい色に見えます。これは、太陽から出る光のうち、波長の長い赤い光だけが大気中を屈折しながら進み、月に届くからです。
 この色は観察するときの大気の状態で変化します。空気中のちりが少ないと大気を通過できる光の量が増え、月はオレンジ色に明るく見えます。ちりが多いと大気を通過できる光の量が減り、月は暗く見えます。
 天文学者ダンジョンはダンジョンの尺度(スケール)という色の目安を用いて月食の色を調べました。この尺度を使って調べてみるのもいいかもしれません。

 

●観察は注意して行おう!
 夜の観察になるため、観察中には注意が必要です。また、自然の観察は天候に左右されます。安全に気をつけながら楽しく観察したいものです。

・安全な場所で観察する
 道路や駐車場などの車がたくさん通る場所、人がたくさん通行する場所、人けのない暗い場所での観察は避けましょう。
・大人が付き添う
 子どもだけで観察せず、大人と一緒に観察するようにしましょう。
・下見をする
 普段行き慣れない場所で観察する場合、明るいうちに下見をしておき、足元の様子などを確認しておきましょう。

 JAXAや国立天文台では皆既月食を観察するキャンペーンを行っており、教材や記録用紙の配布も行っています。全国の人と月食の体験を共有してみてはいかがでしょうか。
・「みんなで皆既月食を観察しよう」キャンペーン(JAXA)
 http://edu.jaxa.jp/campaign/moon2014/
・「皆既月食を観察しよう2014」キャンペーン(国立天文台)
 http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20141008-lunareclipse/

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