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トビタテ! 留学JAPAN ―方針と課題―
教育zine編集部長谷川
2014/2/28 掲載

 2月3日、文部科学省および日本学生支援機構は、企業等と連携し、新たな海外留学支援制度を創設しました。

●新たな海外留学支援制度とは?

 文部科学省が行った事前説明会(PDF)の資料で、政府は次のような方針を打ち出しています。

  • グローバル化等に対応する人材力の強化のため、国際的な英語試験の活用、意欲と能力のある若者全員への留学機会を大学生は6万人から12万人、高校生は3万人から6万人に倍増する。
  • 学生が留学を躊躇する理由は、“留年することによる就職の影響”,“経済的な困難”,“単位認定が困難”,“両親や家族の理解が得られない”,“良質なプログラムを提供できるバックアップ体制の不備”が主にあり、これらの問題を解決するため官民が協力した新たな支援体制を創設する。

 このためのプロモーション活動の一環として作成した留学生応援ソング、「トビタテ!フォーチュンクッキー」はAKBとのコラボレーションということで話題を呼んでいます。

●高校生の留学意識は…?

 政府は大学生のみならず、高校生の留学者も倍に増やすことを計画しています。しかし、政府のあげた政策で高校生の留学者を増やすのは、難しいのではないでしょうか。というのも、政府があげる「学生が留学を躊躇する理由」は大学生を対象にしたアンケート結果となっており、高校生の留学に対する意識はまた大学生と異なったものであるといえるからです。
 「平成23年度高等学校等における国際交流等の状況について(PDF)」の文部科学省調査によると、高校生の海外留学は年々減少傾向にあるそうです。また、「留学に行きたいと思う」学生は42.3%にとどまり、過半数の学生が留学に消極的であることがうかがえます。

 「留学に行きたくない」と回答した高校生の理由は大きく3つ挙げられます。

  • 語学の壁…54%
  • 経済的負担…38%
  • 留学方法、海外での生活、勉強、友達関係の不安…34%

 経済的な面はもちろんですが、それ以上に言葉の壁を含む留学そのものに対して大きな不安を感じていることがわかります。大学生が経済的理由や就業的理由をもとに留学をためらっているのに対し、高校生は精神的理由をもとに留学をためらったり、留学に消極的になったりしているのです。

●高校生にはモチベーションを高める施策を

 政府は、「これから世界で求められる主体性や実行力、チャレンジ精神といったグローバル人材としての素質を培うには、アウェイ体験を伴う海外留学が最も有効」と述べています。留学に対して不安をもつ学生こそ、その不安を飛び越え、留学に挑戦することでグローバル人材としての大きな素質を培うことができるでしょう。
 高校生の留学者を増やすためには、経済支援・就業支援も重要ですが、「留学が不安」な学生の気持ちをいかに留学にむけるか、いかにモチベーション上げるか、といった視点が大切だといえるでしょう。

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