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親が高収入な子どもほど高学力の傾向―文部科学省調査
kyoikujin
2009/8/5 掲載

　文部科学省の専門家会議は4日、昨年実施された全国学力テストの結果について、親の年収が多い子どもほど学力が高い傾向にあるとの調査結果を報告した。

　同調査は、文科省の委託によりお茶の水女子大の教授らが、政令市の公立小100校に追加調査を実施し、6年生約6千人の保護者から得た年収や教育費、学習環境などに関する回答と、学力テストの結果との相関関係を分析したもの。

　調査によると、年収が多くなるほどおおむね正答率が上昇する傾向が見られ、世帯年収が200万円未満の家庭の子どもは、国語と算数の平均正答率が全体の平均より10ポイント以上低く、1200万円以上とは約20ポイントの差があった。また、塾や習い事など学校外の教育費の支出がない家庭と、月5万円以上の家庭との正答率の差も20ポイント以上となった。

　一方で、親の年収とは関係なく、「ニュースや新聞記事について子どもと話す」「小さい頃から絵本の読み聞かせをした」「家に本がたくさんある」と保護者が回答した子どもの学力が高いことも分かり、いわゆる“格差の固定化”への救いがまったくないわけではないこともうかがわれるようだ。

　衆議院総選挙を控えて、各政党の公約などで教育費の無償化が話題に上ることが多いこの頃だが、今回の調査結果を受けて世論もさらに活発化しそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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