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中学校技術・家庭科の学力調査結果を公表―国研
kyoikujin
2009/3/27 掲載

 国立教育政策研究所は、25日、特定の課題に関する調査(技術・家庭)結果を公表した。全国規模の中学校技術・家庭科についての学力調査の実施は41年ぶりで、実技調査は初めての試みという。

 この調査は、平成19年秋に全国の国公私立中学校から無作為抽出した約5000校1万6千人中学校3年生を対象に行われた。
 調査内容は以下の通り。

  • 技術・家庭における基礎・基本となる知識,生活で活用する力の実現状況(ペーパーテスト)
  • 技術・家庭における基礎・基本となる技能の実現状況(実技調査)
  • ペーパーテスト及び実技調査の内容に関連した生徒の学習状況、意識や、教師の指導の実際等(質問紙調査)

※( )内はその調査方法。

 180ページからなる報告書(PDF)には、技術分野・家庭分野それぞれの調査結果と分析結果からみた主な課題と指導上の改善についてまとめられている。
 例えば、技術分野については、技術と環境のかかわりの理解の状況に課題がみられたことや、「省資源や省エネルギーについて理解できましたか」について肯定的な回答をした生徒が60%程度であったことを踏まえ、以下のような改善点が指摘されている。

新学習指導要領で新たに設定された「技術の適切な評価・活用について考える」場面において、生活の場面で使用されている機器について、機器の製造,使用,廃棄,再利用の各場面における環境負荷について調べる活動を取り入れたりして、技術が環境に果たしている役割と影響を理解し、適切に活用することの重要性を実感させるなどの指導の工夫が必要である。

 なお、生徒への意識調査では、「技術分野、家庭分野の学習は大切だ、ふだんの生活に役立つ」と回答した生徒の割合はおおむね80%以上。「情報機器をもっとうまく使えるようになりたい」と回答した生徒は90%以上。「調理実習が好きだ」と回答した生徒の割合は約90%。技術・家庭科の勉強が肯定的に受け止められていることがわかった。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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