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小中一貫校施設、初の実態調査―国立教育政策研究所
kyoikujin
2009/3/18 掲載

 職員室は小中共有にして教員相互のコミュニケーションの場とするのが効果的、逆に保健室は発達段階の違いを考慮して出入り口や内部空間を分ける配慮が望ましい。―国立教育政策研究所は、先月、小中一貫教育校における施設一体型校舎に関する初の調査報告書(PDF)を公表した。

 この調査報告書は、現在小中一貫教育が行われている学校における施設利用の実態から、施設一体型校舎の計画・設計の留意点をまとめたもの。これから小中一貫教育校の実施する関係者にとっては、学校施設について検討する際の参考資料となりそうだ。
 今回の調査では、「学校運営の一貫性の確保」「施設設備の有効利用」「安全面の配慮」といった、小中一貫教育で特別に配慮しなければならない課題があることが判明した。これを踏まえ、施設一体型校舎を設計する際の留意事項として以下があげられている。

  1. 小中連携を育むため、広く学校関係者が参画する整備プロセスの構築が必要
  2. 一貫教育の導入に伴う児童生徒数の変化を想定した校舎規模設定が重要
  3. 学年区分(4-3-2等)と施設のゾーニングを一致させることが設計の基本
  4. 小中連携を推進するため、職員室や図書室等の共有化、異学年交流スペースの整備等の設計上の創意工夫が重要

 小中一貫教育は、「中1ギャップ」の解消などの効果が期待されており、実施する自治体が少しずつ広がってきている。今年に入ってからは、横浜市と大阪市が、それぞれ2012年度と2011年度より市内全校で小中一貫教育を実施することを発表している。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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