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就職協定の復活に意欲―塩谷文科相
kyoikujin
2009/3/15 掲載

 就職協定が1996年に廃止されて以来、年々学生の就職活動が早くなっていることを受けて、13日、塩谷文科相が就職協定復活に前向きな意向を表明したとのこと。12日には、文部科学省の呼びかけで、大学側と企業側が意見交換のための会合を開いた。

 就職協定は1953年に初めて設けられて以来、廃止と復活とを繰り返してきたが、形骸化しているとして1996年に廃止された後は、今日まで12年間協定のない状態が続いている。協定の廃止以降は大学3年生の夏から就活の準備が始まるなど年々時期が早まっており、就職活動の早期化、長期化が学生の勉強を妨げているという懸念が今回の協定復活論となったようだ。しかし、人材獲得競争も国際化の時代になっており、外資系など就職協定に縛られない企業がある以上、就職協定を復活しても再び形骸化するだけというのが企業側の反応のようだ。

 また、企業側だけでなく、大学側の努力も必要だという声もある。そもそも、就職市場に参加するために進学しているだけに過ぎず、就職活動の時期とは関係なしに勉強しない学生が多いというのだ。このような批判に応えるためには、大学側が学生に魅力あるカリキュラムを提供する一方で、卒業認定を厳しくするなどの対策で教育の質を高め、まずは就職活動よりも学業を優先するべきという世間的なコンセンサスを地道に広めていくような努力も迫られているのかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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