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学士力を規定、卒業認定は厳格化へ―中教審答申
kyoikujin
2008/12/25 掲載

 中央教育審議会は24日、大学教育の質向上に関する改善案を塩谷文科相に答申した。各大学が学位授与や成績評価などの明確な規準を設けるように求めるとともに、各大学が参考に出来るよう、大学4年間で身につけるべき能力を「学士力」として国が規定することなどを求めた。

 答申では、大学全入時代を迎えたことにより、受験競争による学生の質を保証する機能が大きく低下し、これまで「入難出易」と評されていた状況が「入易出易」になっていると指摘。また、近年、大学の個性化、多様化が進んだことで、学位に付記する専攻分野の名称が約580にも達し、その半数以上が当該大学でのみ使われている現状では、学士課程が保証する能力の水準が曖昧となっており、国際的な通用性を失いかねないといった懸念を指摘した。

 これを受けて、大学で学ぶ意欲のある若者に学ぶ機会を保障できる意義は大きいとして、「入易」については否定しなかったものの、学位授与の規準・方針を明確にして卒業認定を厳格にすることで、「入易出難」にして学生の質を維持・向上するとともに、身に付けた学習成果が明確化されることを求めた。また、事実上の学力不問になってしまっている推薦入試やAO入試について学力担保を求めるなど、入り口についての改革も促している。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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