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学校における教育の情報化の実態調査―文科省
kyoikujin
2008/9/29 掲載
ICTではなまる授業―新学習指導要領対応

 文部科学省は、26日に学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(平成19年度)を公表した。この調査は、全国の公立学校でのコンピュータ整備の実態やインターネットへの接続状況、ならびに教員のICT活用指導力の状況について把握するために毎年行われているもの。調査の結果からは、教育の情報化は少しずつ進んでいるものの、掲げている目標値にはまだまだ届かない様子が明らかになっている。

コンピュータ整備やインターネットへの接続状況

 平成23年3月までの目標値と、平成20年3月現在と1年前の平成19年3月現在の実態は以下の通りだ。

H23年3月までの
目標値
H20年3月 H19年3月
教育用コンピュータの整備
(1台あたりの生徒児童数)
3.6人 7.0人 7.3人
普通教室における校内LANの整備 100% 62.5% 56.2%
インターネットの接続率
(30Mbps以上回線)
100% 51.8% 35.0%
教員の校務用コンピュータの整備 100% 57.8% 43.0%

 一定の伸び率で推移しているものの、3年後の目標値にはまだまだ届かない。
 都道府県別に見ても、以前として格差が目立つ状況だ。例えば、普通教室における校内LANの整備率は、最高が91.4%(岐阜県)で最低が35.4%(青森県)、教員の校務用コンピュータの整備は、最高が99.4%(鳥取県)で最低が35.1%(鹿児島県)となっている。

教員のICT活用指導力の状況

 教員のICT活用指導力の状況については、文科省の「教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会」でとりまとめられたチェックリストに基づき、調査が行われた。全18項目それぞれについて「わりにできる」「ややできる」「あまりできない」「ほとんどできない」の中から教員が自己評価を行う形式だ。
 各項目で、「わりにできる」もしくは「ややできる」と答えた割合は以下の通り。

H20年3月 H19年3月
A:教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力 71.4% 69.4%
B:授業中にICTを活用して指導する能力 55.2% 52.6%
C:児童生徒のICT活用を指導する能力 57.8% 56.3%
D:情報モラルなどを指導する能力 65.1% 62.7%
E:校務にICTを活用する能力 65.6% 61.8%

 学校種別では、18項目中10項目において高等学校が小・中・高の3校種中で最も高い結果となる一方、中学校は13項目において3校種中で最も低い結果となった。
 文科省では、平成23年3月時点で、すべての教員がICT活用指導力の全項目で「わりにできる」もしくは「ややできる」と回答することを目指すという。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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