きょういくじん会議
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まず「安全であること」―スポーツセーフティーを見直そう
kyoikujin
2009/8/20 掲載
日本のスポーツはあぶない (小学館101新書 20)

 近年子どもの体力の低下しているといわれ、新指導要領実施に向けて、体育の授業時数も増やされています。運動すると、気をつけてはいてもケガはつきもの。そんなケガやこの時期心配な熱中症などについて、スポーツセーフティージャパンでは講習を行っています。

 スポーツセーフティージャパンによると、スポーツセーフティーとは、スポーツが安全に行える「環境」のこと。選手・親、指導者、施設の三者が知識や情報を共有し、必要な役割を理解し協力することによって実現できるとしています。
 欧米では、 たとえグラスルーツ(草の根)レベルのスポーツであっても、指導者へのスポーツセーフティー資格取得を義務づけているそうです。日本では公式大会主催者やスポーツ施設管理者でもスポーツセーフティーの知識・スキルがない場合が多く、代表理事の佐保豊さんは「日本のスポーツはあぶない」と警鐘を鳴らしています。またそういった状況でスポーツをしていれば、顕在化しない事故も多く存在し、死亡事故や重篤な後遺障害が残るケースもあります。

 スポーツセーフティージャパンではスポーツ指導者、教員、保護者などを対象にセミナー講習や、携帯電話から無料でできるEラーニングなどを行っています。講習では、応急手当の仕方や傷害・事故の予防についてプロのトレーナーやドクターから学ぶことができます。
 講習は、スポーツ団体や教育機関などと共同で、日本各地で開催しています。生涯サッカープレーヤーなど、30歳、40歳などを対象とする講習も多いのですが、足立区の「あだち放課後こども教室」(放課後の小学校施設を活用した子どもの居場所づくり事業)の見守りスタッフのための講習会なども開いています。
 またホームページには、ダウンロード資料として緊急時対応マニュアル(緊急事態発生時の対応手順を予め記しておく際の用紙)や、傷害報告書(傷害発生時に提出、記録、保管等しておく際の記録書)の書式見本もあります。

 先生のなかには、スポーツや応急処置について詳しくなくても、運動部の顧問となっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。部活中でなくとも、朝礼中や校舎内でもケガもいつ起こるとも限りません。一度、事故の予防や応急処置について知識を見直してみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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