きょういくじん会議
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あなたは紙派? 電子派? 小学生向け国語辞書が人気
kyoikujin
2009/4/27 掲載
チャレンジ辞書引き道場 はじめての辞書引きワーク

 小学生のとき、重くて持ち帰るのは大変だった国語辞書…。21日の産経新聞の記事によれば、近年小学生向け国語辞書の売り上げが伸びており、耐久性アップや軽量化など、工夫がされているそうです。

 辞書と言えば、現在ではさまざまな電子辞書が発売されており、紙の辞書の売り上げは落ち込んでいると言われています。また、以前の記事でもお伝えしたように、携帯電話を辞書代わりに使用する傾向が10〜30代を中心に強く、紙の辞書離れが進んできている様子が伺えます。

 そのような中での小学生の国語辞書ブーム。その裏には、同記事にもあるように京都市の立命館小学校の深谷圭助校長が提唱する「辞書引き学習法」があります。この学習法は、小学1年生から国語辞書を与え、調べた言葉に付箋を貼っていくというもの。子どもたちは国語の授業だけではなく、算数の授業、さらには給食の時間でも辞書をひき、時には友だちと互いの辞書読み比べることで、物事を批判的に見る力をも身につけることができるそうです。電子辞書は、どのメーカーもトップブランドの辞書だけを搭載する傾向が強いですが、紙の辞書であれば多様に物事を見ることも可能なのかもしれません。

 深谷校長は朝日新聞の記事では、紙の辞書のよさを以下のように述べています。

紙の辞書には言葉を調べるための道具という側面だけでなく、読み物という側面もあります。知っている言葉でも、辞書を引いてみると自分が考えていた意義と違ったり、ズレていたりして、発見があります。引いた言葉の前後に目がいって、この道草が言葉の世界を太らせてくれる。そういう役割は電子辞書では果たせません。

 辞書引き学習法は1年生から実施されていますが、新学習指導要領では、辞書の利用は5・6年から3・4年へ移行し、現行のものより早い段階で辞書に触れさせるようになっています。また、「言語力」育成が重視され、言葉がますます重要な役割を果たすことが求められてきた今、国語辞書への注目がさらに集まりそうです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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