きょういくじん会議
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個人情報保護法施行から3年―どう変わった?
kyoikujin
2008/5/8 掲載
これだけは知っておきたい個人情報保護

 個人情報保護法が全面施行されて3年―どう変わったと聞かれたら…?
 国民生活センターが公表した「個人情報に関する消費者の意識−個人情報保護法説明会参加者へのアンケート調査結果報告書−」では、約半数の人が個人情報保護法に「個人情報の安全管理責任の強化に期待する」一方で、7割近くの人が法施行後は「社会全体で個人情報に関する取扱いが慎重になりすぎて、不便になった」と感じているという結果になっていた。

 このアンケートは、昨年10月から12月の間に行われた「個人情報保護法に関する説明会・相談会」の参加者を対象に行ったもの。回答者7,091人のうち、6割近くが公務員で、また、関係しているものを選択してもらったところでは、多い順に、地方公共団体職員(2,244人)、学校(1,517人)、自治会(1,037人)となっている。

 これによると、法施行後の変化について一番多かった回答は「社会全体で個人情報に関する取扱いが慎重になりすぎて、不便になった」(68.0%)、次いで「自分自身の個人情報に関する取扱いが慎重になった」(45.5%)となっている。
 しかしながら、事業者・団体の個人情報の取り扱いについて「適切になった」と感じている人は18.5%であり、あまり満足感が得られていない結果となった。

 個人情報保護法といえば、いわゆる「過剰反応」が問題となっており、先月の25日に一部変更が閣議決定された「個人情報の保護に関する基本方針」にもその対応が盛り込まれたところだ。
 このアンケート結果でも、法施行後に困惑したこととして、「何かにつけて個人情報だといわれる」を挙げた人が6割近くと最も多く、次いで「名簿、連絡網の作成が中止になった」などが挙げられている。

 ちなみに、法施行後に困惑したことの具体例として挙げられた中から学校に関するものをご紹介すると…。

  • 学校の緊急連絡網の作成にあたり、年度初め、保護者の同意を得て作成している。万一、一部保護者の中に、同意しない方が出た場合、連絡網の機能を果たさなくなるのではないかと心配である。
  • 子どもの学校の連絡網が一部しかなく、同じクラスの子の名前もわからない。何かあっても親同士で連絡することができない。
  • 問題行動がある生徒の情報共有がやりにくい。
  • PTAの広報誌にのせる写真など、顔が判別できるものについては、原則掲載できない。

 皆さんの周りや学校では、いかがだろうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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