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本シリーズのテーマは、「365日の全授業」です。本来は、教科書を用いた授業も提案すべきですが、教科書が改訂され、題材が変わると、新鮮さが感じられなくなることもあります。社会や理科、数学等の教科であれば、教科書が変わっても、ほぼ単元の学習内容は変わらずに済むのですが、英語についてはどうしても、題材に寄り添う面があります。
ただ、英語授業でも、変わらずに指導できる分野があります。それが英文法です。まして、私たちが英語を身に付ける上で、英文法の理解と定着は必須です。
理解させるためには、実際に生徒に言語使用の機会を与え、言語活動の中で文法指導する必要があります。
また、指導したら即、英語が身に付くということはありません。定着させるためには、繰り返しが必要です。そこで本書では、理解させる学習活動と、定着や活用を目指すための復習・活用するためのページを設け、先生方が幅広く英文法指導ができるよう指導アイデアをご紹介しています。
まず、アイデアは無いところから生まれないと常々思います。今あるアイデアを自分なりに、多少変えてみたり、目の前の生徒に合わせて変えてみたりするところに、私たちの新しいアイデアが生まれると考えるのです。また、何もないところから考えると時間もかかりますが、アイデアが目の前にあると、新たな発想が浮かびやすくなります。本書は、強力な執筆陣の下で作成に至りました。アイデアだけでなく、どのように授業展開をすればよいのか、指導の流れについても学んでいただけたらと思います。先生方の新たなアイデアにつながるヒントになれば幸いです。
文法を指導する際、どうしてもアクティビティシートが必要となります。そこで、ダウンロード資料としてシートのデータを提供することにしました。
実は、これらの資料もアイデアです。それらの指導ネタをそのまま活用することもできますが、先生方の発想で、修正して利用することもできます。また、シートには、各先生方の日頃の指導技術が詰まっています。生徒の興味関心を引くネタをどのように取り上げ、それをどのように授業化しているかが、垣間見られるかと思います。お時間のあるときに、ダウンロードされ、教材研究に、ご活用いただければ幸いです。
教員にとっても、生徒にとっても、小中連携は重要課題です。教員にとっては、小学校で、どのようなことを学んできているのか、また、どのように英語を学んできているかを知ることは、中学校英語への接続を考えた際に、とても大切だと思うのです。また、生徒にとっては、小学校で学んできたことを土台に、中学校での学習に新鮮な気持ちで接することと思います。その時に、既に英語に苦手意識をもっている生徒については、よい学び直しの機会となるようにしなくてはいけません。また、英語が好きと感じている生徒については、さらに英語を学ぶことが好きと感じさせるよう、「聞く・話す」の実際のコミュニケーションを重視した小学校英語のよい流れを引き継ぐようにしたいです。そのための小中連携です。ここにあげた項目は、小学校で学習してくるポピュラーな基本表現をとりあげています。この単元のアイデアが生徒にとってスムーズな接続につながることを期待しています。
あるラジオ番組で、元サッカー選手へのインタビューがあり、その中で「緊張はしないのですか」と尋ねられている場面がありました。その元選手は、「もちろん緊張しますよ」と答え、「え。〇〇さんでも緊張するのですか」と聞かれると、「緊張しなくなったらおしまいだと思うのです。適度な緊張は必要です」と言っていました。
実は、私は毎回、セミナー前に緊張するのです。いつまでたっても、緊張する自分がいるのです。でも、元サッカー選手のその一言で、「ああ。緊張して当然なんだ。確かに緊張していたほうが、慎重になるしなあ。」と勇気づけられました。やはり、プロという第一線で活躍していた人の言葉は、深いなあ…と思いました。(ただ、適度な緊張という言い方をしていましたが…。)
ということで、そろそろあちこちで対面でのセミナーが再開し始めました。どうか緊張している私を見て下さい(笑)。