著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
働き方を変えるヒントは、教育実践の中にある
北海道函館市立亀田中学校川端裕介
2021/11/18 掲載
 今回は川端裕介先生に、新刊『教師のON/OFF仕事術』について伺いました。

川端 裕介かわばた ゆうすけ

現在、北海道函館市立亀田中学校に勤務。1981年札幌市生まれ。北海道教育大学札幌校大学院教育学研究科修了(教育学修士)。函館市中学校社会科教育研究会研究部長。NIEアドバイザー。マイクロソフト認定教育イノベーター(MIEE)。社会科教育では、平成24年度法教育懸賞論文にて公益社団法人商事法務研究会賞、第64回読売教育賞にて社会科教育部門最優秀賞、第29回東書教育賞にて奨励賞などの受賞歴がある。また、学級通信を学級経営に活用し、第13回「プリントコミュニケーションひろば」にて最優秀賞・理想教育財団賞、第49回「わたしの教育記録」にて入選などの受賞歴がある。

―本書は、川端先生にとっては初の「仕事術」本ですね。教師の仕事術に関する書籍はたくさんありますが、本書の特徴はどんなところでしょうか。

 『教師のON/OFF仕事術』は、3つの特徴があります。
 1つ目に、教育技術を生かした「教師だからできる仕事術」という発想であることです。ビジネス界のノウハウを鵜呑みにせずに、学校現場での教育実践のノウハウを生かした働き方の改善方法を紹介しています。
 2つ目に、業務内容ごとに省エネ(OFF)すべきことと、全力投球(ON)すべきことを分けています。また、私の教育観や教師像に沿って、ONとOFFの基準と理由を説明しています。
 3つ目に、現場での多様な経験を生かして、自分だけではなく周りの人も幸せになるような働き方を提案していることです。仕事の量の削減だけではなく、質的な転換を図って仕事のあり方や教員としての生き方のヒントをなるような本を目指しました。

―本書は、主にどんな人に向けて書かれたものでしょうか。

 これから教壇に立つ方を含めて、主に若い先生方を意識して執筆しましたが、中堅やベテランの先生方にも役立つ内容だと思います。業務の多忙さは教員であれば誰もが感じていることですが、多忙さの要因は世代や学校の状況によって変わると思います。本書では、様々な立場の先生方に役立つように、多忙感を軽減して充実感を高めるための様々な発想と具体策を提案しています。

―川端先生といえば、学級通信の発行や教室環境づくり、授業づくりなどに精力的に取り組みながらも、部活指導や外部の研修講師なども務められていますね。あと、書籍や雑誌のご執筆もたくさん…(笑) 本書を読めば、その秘訣が分かりますか?

 うーん、そうですね…秘訣とまでは言えなくても、きっとヒントになると思います。私自身、仕事に追われていた時期や、苦しさを感じる時期もありました。しかし、この数年は、仕事量は増えているものの、心にも体にも負担を感じていません。その理由はきっと、仕事のONとOFFの基準をつくり、周囲の先生方の理解を得るようにしながら、無駄を削って質を高める働き方ができているからだと思います。

―学校の勤務実態に関しては、SNSを中心に、現場の先生方のネガティブな声も多く聞きます。先生は、そうした声をどのように受け止めておられますか。

 気持ちはよくわかるつもりです。私もネガティブな気持ちになり、教師の道を選んでよかったのかと悩んだことがあります。今は踏みとどまって良かったと感じていますが、それはただの結果論です。
 昔とは学校現場を取り巻く状況の質は変わっても、厳しさは変わらないと思います。苦しい経験は教師としてのあり方に「重み」を加えてくれますが、同時に「重荷」となってしまいます。そこで、『教師のON/OFF仕事術』を読んで「あっ、それもアリなんだ!」と感じ、心が少しでも軽くなり、教師として働くことに幸せを感じるきっかけになるとうれしいです。

―働き方を変えたい!と悩む若手の先生方に、どんなアドバイスを伝えたいですか?

 「教師は世間を知らない」という批判の声は、昔からあります。しかし、教師の仕事ほど多様で創意工夫を求められるものは、そうありません。働き方を変えるヒントは、きっと教室での教育実践の中にあるはずです。子どもに対して発揮する技の数々を、先生ご自身の働き方に当てはめてみてはいかがでしょうか?

(構成:大江)
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