著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学級通信で、子どもとともに成長しませんか
岩手県花巻市立小学校古舘 良純
2021/2/12 掲載
今回は古舘良純先生に、新刊『学級経営サポートBOOKS 子どもと教師を伸ばす学級通信』について伺いました。

古舘 良純ふるだて よしずみ

1983年岩手県生まれ。現在、岩手県花巻市の小学校勤務。近隣の学校で校内研修(道徳)の講師を務めたり、初任者研修の一環等で道徳授業を公開したりしている。バラスーシ研究会,菊池道場岩手支部に所属し、菊池道場岩手支部長を務めている。

―今回の書籍のタイトルは、『子どもと教師を伸ばす学級通信』です。「子どもと教師を伸ばす」というタイトルに込められた思いをまずは教えてください。

 学級通信は、教師の「外側」を形成するイメージがありました。「保護者からの信頼」や「管理職の評価」、「何号出した!」という形で「外から見た自分」を形成するイメージでした。
 しかし、継続して文章を書いていくことは、教師自身の子どもを見る目や、教室の事実の切り取り方の精度を高めることにもつながります。そうした力量形成的な側面を、学級通信作成の付加価値とするのではなく、意図的に自分の「内側」を成長させる場にしてはどうかと考え、本タイトルにしました。

―本書は「役割」「発行のポイント」「実物と解説」という構成になっています。特に2章では、「発行のポイント」についてご紹介いただいておりますが、学級通信をつくるうえで一番気をつけていることは何でしょうか?

 自分なりの「こだわり」をもつことです。用紙のサイズ、手書きかパソコンかなどの選択肢がたくさんあります。タイトルも、教師が決めたり子どもと決めたりするなど、人それぞれのお考えがあります。さらに、写真やイラスト、フォントなども十人十色ではないでしょうか。
 それらには正解がなく、書き手である担任が「決める」ものばかりです。自分なりの「こだわり」が学級通信の芯となり、血の通った通信になると感じています。

―教員の多忙化が問題になって久しいです。先生が、学級通信を出し続ける中で大変だと思うことは何ですか? また、それをどう乗り越えていますか?

 仕事と実践を区別する必要があると考えています。学級通信は公務ではありません。あくまで、担任の裁量で発行する「実践」の一つだと考えています。学級通信が「仕事」となり、自分にとっての「義務」になれば、「多忙化」につながるかもしれません。
 しかし、学級通信を自身の力量形成の場、日々のアウトプットの場とし、「仕事」と区別すればよいのではないかと考えます。例えば、本を読むように、ランニングをするように、ある種「趣味」の一環として書いてみてはいかがでしょうか。
 本書は、教師を育てる目的のための手段として学級通信を位置づけています。極端に言えば、「書かない」「発行しない」という選択肢もあります。大切なのは、教師自身の成長を止めないことではないでしょうか。

―「学級通信」を出していると、子どもや保護者から様々な反応があると思います。学級通信を出してよかったと思ったエピソードを教えてください。

 2つあります。1つ目は、今年成人を迎えた教え子から連絡をもらったことです。当時の学級通信を引き合いに出し、「タイトルの意味」を考えてくれていました。数年経った今でも心に残っている事実を知り、嬉しく思いました。
 2つ目は、ある保護者から「擦り切れるほど読んだ」とご連絡をいただいたことです。学級通信は公務ではありません。保護者にも「読む義務」はありません。しかし、その保護者は何度も繰り返し読んでくださいました。本当に感謝しかありませんでした。

―「学級通信」を書いてみよう!と手に取ってくださった読者の方にメッセージをお願いします。

 私が学級通信を書くきっかけは当時の学年主任の一言でした。つまり「学級通信が先」で「思いが後」でした。そして、書き続ける中で学級通信の意味を見出してきました。
 しかし、学級通信を書く多くの動機は、何かを伝えたい、発信したいというような「思い」ではないでしょうか。もし書いてみたいと思った方は、ぜひその「思い」を大切に書いてみてください。
 学級通信を発行するきっかけは人それぞれです。もし本書が、みなさんにとって発行のきっかけになれば幸いです。

(構成:茅野)
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