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養護教諭は、同職種の先輩や仲間からその場で具体的に教えられたり、学んだりする機会が限られ、新卒であっても、自分で考えて判断し、専門職として山積する課題に対応することが求められています。「どうしよう?」と迷ったとき、隣の学校の養護教諭に尋ねるような気持ちで本書を開き、日々の執務のヒントにしていただけたら嬉しいです。本書の提案は、唯一無二の「正解」ではありません。本書が皆さんの執務のさらなるバージョンアップのきっかけになりますように!
4月は学校保健活動のスタート、保健室開きとも言えます。まずは、保健室を中心とする活動を通して、どのような子どもを育てていきたいのか、一年後のゴールとなる目標を立てましょう。そして、そのゴールに向かうために、養護教諭として大切にしたいことは何かを、一年間の初めに自分に問い掛けてみましょう。ゴールとそのための自分の指針を見据えることができれば、日々の執務の中で迷い、悩むことがあっても大丈夫!迷子になりませんよ。
近年、心の健康と「レジリエンス」の関係が注目されています。レジリエンスは、「困難に直面した際の適応や回復を導く能力」です。失敗してはいけないと思い詰めたり、思うようにできなかった時に過度に落ち込んだりする子どもの様子を見るたびに、大切なのは失敗しないことではなく、失敗してもそこから学んで立ち上がることだと改めて感じます。子どもたちが困難に直面したときこそ、養護教諭の出番です!まずは子どもの変化を見逃さず、子どもの心と体に寄り添い、人生にとって失敗は恐れるものではないことを示してあげたいと思います。様々な経験を重ねて、子どもたちの笑顔が輝くことを保健室からも応援しました。
インターネットの普及により、誰もが、いつでも、様々な健康情報を手にすることができるようになりました。そのような中、その学校の養護教諭しか伝えられない情報を届けることを一番大切にしていました。養護教諭の目や耳で捉え、肌で感じた学校の様子や子どもの様子があふれている、そんな私にしか作成することができないほけんだより、他の学校では使用できないほけんだよりを作成することを目標に、毎月頭を悩ませていました。
これまでの先輩や仲間の養護教諭への感謝と、後輩であるこれからの養護教諭の役に立ちたいという思いで本書に取り組みました。また、養護教諭の職務についての教科書は様々あるけれども、現場の実際の活動とそれらの知識をつないだり、すき間を埋めたりする本があったらと若手の頃に思ったことも執筆への背中を押しました。執筆を通して改めて、養護教諭の職務の素晴らしさと重要性を感じています。養護教諭の未来と可能性を心から応援しています!