著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
1年間の見通しをもって、笑顔の絶えない学級をつくろう
岐阜聖徳学園大学教授玉置 崇
2020/3/7 掲載
今回は玉置崇先生に、新刊『1年間まるっとおまかせ! 中1〜3担任のための学級経営大事典』について伺いました。

玉置 崇たまおき たかし

1956年生まれ。公立小中学校教諭、国立大学附属中学校教官、中学校教頭、校長、県教育委員会主査、教育事務所長などを経て、平成24年度から3年間、愛知県小牧市立小牧中学校長。平成27年度より岐阜聖徳学園大学教授。
文部科学省「小中一貫教育に関する調査研究協力者会議」委員、「統合型校務支援システム導入実証研究事業」委員会委員長などを歴任。

―『1年間まるっとおまかせ! 中1〜3担任のための学級経営大事典』は、4月から3月まで、1年間の学級経営の要所が全て網羅されています。その中でも、これから読者の皆様が迎える「学級開き」の際に、担任の先生が必ず押さえておきたいことを教えていただけますでしょうか。

 だれもが印象に残る「学級開き」にしたいと思っておられることでしょう。そのヒントが本書に掲載してありますので、ぜひ参考にしてください。
 注意すべきことは、いくらよい学級開きでも長時間になってはいけないということです。担任の思いが先走り、凝りすぎてしまい、ダラダラとした学級開きにしてしまう方があります。コンパクトで、さあっと終わった方が印象に残ります。

―本書では、年度はじめの環境・システムづくりが、たくさんの実物の写真とともに掲載されています。玉置先生は、環境・システムづくりで意識されていたことはありますか。

 組織が機能しているかどうかが分かるようにすることを意識しました。例えば、日直の仕事です。後ろの黒板に仕事内容を書いておいて、その仕事が完了したときはチェックを入れることを学級全体で決めました。いわゆる仕事完了の「見える化」です。こうしておくと、生徒同士で確認しあうようになります。

―本シリーズでは、どの学年においても「リーダーの育成」についての言及があります。なぜ、中学校の学級経営においてはリーダーの育成が重要なのでしょうか。また、よいリーダーを育てるために、学級担任はどのようなことをすればよいのでしょうか。

 中学生は自主・自律の精神を育てるのに適切な時期であり、リーダーとして大きく成長させる良い時期だからです。小学校6年間の学級生活経験を生かして、自分たちで学級の課題を見つめたり、その解決に向けて動いたりする経験は、社会に出ても大いに生かせるからです。
 私はよいリーダーを育てるために、担任の考えをしっかり伝え、具体的な動き方については生徒に任せて見守ることに徹しました。そしてよい点を価値付け、その価値は学級全体に伝え、リーダーの頑張りを評価しました。

―学級担任の先生が悩みがちなことの一つに、「保護者対応」が挙げられると思います。本書では、保護者会・三者面談の運営や、トラブル対応術といった「ここぞの対応」が示されていますが、保護者とよい関係を築くために日ごろからやっておきたいことについても、教えていただけますでしょうか。

 保護者は、基本的には生徒を通して担任のことを知ります。「今日はね、担任の先生は○○ということを言っていたよ」などと、家庭で保護者に話します。生徒から伝わる様々な情報をもとに、「今度の担任は芯が通っている」「子どものことを最優先にしてくれるよい先生だ」などと思います。生徒に話しているときに、保護者がこの話を聞いたらどう思うだろうかと想像しながら話すとよいでしょう。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします。

 学級経営をしていて、思うように進まないことはあるでしょう。それは当然なことです。こうして困難を感じるのは、自分がそれだけ学級のこと、生徒のことを必死に考えているからだとプラスにとらえましょう。
 また、困ったときこそ役に立つのが本書です。いつも目に付くところに本書を置いておき、機会あるごとに見てください。見通しをしっかり立てることができると思います。
 いつも笑顔を忘れず、生徒と楽しんで学級を創りあげてください。

(構成:小松)

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