著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
迫力をもって叱れるのがプロ
山口県岩国市立川下小学校教諭中村 健一
2020/1/24 掲載
今回は中村健一先生に、新刊『策略―ブラック生徒指導 二度と問題を起こさせない叱り方』について伺いました。

中村 健一 なかむら けんいち

1970年,父・奉文,母・なつ枝の長男として生まれる。
名前の由来は,健康第一。名前負けして胃腸が弱い。
酒税における高額納税者である。
キャッチコピーは「日本一のお笑い教師」。「笑い」と「フォロー」をいかした教育実践を行っている。しかし,この『ブラックシリーズ』でその真の姿,「腹黒」をカミングアウト。

―中村先生、『ブラック策略シリーズ』も、6冊目です!(拍手!!)今回は「生徒指導」がテーマ。…テーマからしてなんだか悪そうですが表紙の先生からおかしいです。なぜカツ丼をもっておられるのですか?!

 好きだから(笑)。いや、私は胃腸が弱かった…カツ丼を食べると、胸やけがします。まあ、カツ丼は、優しさの象徴ということで。
 生徒指導主任をしていると、万引き、高額なお金のやりとりなど、大きな事件にも出くわします。そんな時は、警察の手法に学ぶのも一手です。
 子どもにカツ丼を食べさせたり、母さんの歌を歌ったり。
これはたとえですけどね(笑)。優しさも厳しさも、子どもを正しい方向に導くためなら、どんな手でも使う。それが、『ブラック』の心です。

―カツ丼の優しさありつつの…トラブルが起きた時の厳しい態度?!ですか…。ちなみにその優しさというか「褒める」と「叱る」の割合はどれほどですか?

 割合は考えたことがないなあ。でも、「褒める」も「叱る」も緩急つけて併せて使うことが大切ですよね。
 ずっと怒鳴り続けると、怖くなくなってしまいます。ここぞ!というタイミングで凄みを効かせる。すると、子どもから真実を聞き出せたり、反省させたりすることができますからね。
 でも、最後は褒めて終わるのが原則かな。「君は正直に話すことができて、エライ!だから、成長できる」ってね。

―ほうほう。凄みの後の褒めが良いのですね。ただ…若い先生には叱るのニガテという方が多いように思います。そんな先生方にアドバイス、ありますか?

 「甘えるな!」と言いたいですね。
 教師をやっている以上、叱らないといけない場面は必ずあります。それなのに、「叱るのが苦手」なんて言っている教師は失格です。プロ意識が低すぎる、いや、無いとしか言いようがない。
 私は、実は温厚な性格なので、日常生活で腹が立つことがありません。それでも、仕事は別。教師として、プロとして、全身全霊を込めて叱ります。もちろん、演技ですけどね。
 今年、私は50歳になります。この歳になると、子どものすることで、腹の立つことなどありません。それでも迫力をもって叱れるのがプロですよ。

―プロ意識さすがです。名言が出たところで、この策略シリーズ、お決まりのセリフにのせてください!

 「だめだ、こりゃ」でしたっけ?

 (…モチロン違います・笑)

厳しい現場を生き抜くために、黒くなれ!
どんな手を使ってでも、子どもたちを正しい方向に導いてやるのがプロ教師だ!

(構成:佐藤)
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