著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
はじめての通級指導教室を担当する先生の不安がみるみる消える1冊
東京都調布市立飛田給小学校長山中 ともえ
2019/7/5 掲載

山中 ともえやまなか ともえ

東京都調布市立飛田給小学校長。青山学院大学卒業、筑波大学大学院夜間修士課程リハビリテーションコース修了。東京都公立中学校教諭、東京都教育委員会指導主事、同統括指導主事を経て現職。特別支援教育士スーパーバイザー、臨床発達心理士としての経験を生かし、全国特別支援学級設置学校長協会会長として特別支援教育の推進に努める。

―通級による指導を受けている子供たちは年々増えていると聞きますが、その中で本書をおまとめになったねらいを教えてください。

 通級による指導の担当教員は、平成28年12月に義務標準法が改正され、基礎定数化されました。また、インクルーシブ教育システム構築の観点から、通常の学級で学びながら、障害の特性に応じた必要な指導が受けられる通級による指導は、今後、さらに推進されていくと思います。指導を行う教員も増えていますが、適切な指導がなされるためには、まだまだ通級による指導の実践を積み重ねていくことが大事です。通級による指導のスタンダードが確立されていくことを願っています。
 

―本書は、Q&A形式で通級指導教室での指導をわかりやすく解説くださっていますが、これらのQはどのようにして集められたのですか?

 私の学校のある自治体でも、通級による指導を担当する先生方は急増しており、新採の先生が着任したり、通常の学級の担任から異動したりしてくる先生が多くいます。市内の小学校の教育研究会の特別支援教育部の中で、特に、それらの先生方がどのようなことに困っているか、ということを質問事項として集めてみました。通級による指導を初めて担当する先生方は、自立活動という指導内容についても理解しなければなりませんが、指導以外にも、保護者との連携の在り方や、通常の学級担任の先生との連絡の仕方、専門性の身に付け方等、様々な面で困っていることがわかりました。

―苦手さのある子と深くかかわる通級指導担当者のやりがいはどこにあると山中先生はお考えですか?

 障害がある、といっても、子供の状態は様々で、一括りにはできません。でも、必ず、どの子供も良い面を持っているし、成長していきます。大勢の子供がいる通常の学級では、うまく力を発揮できない子供とじっくり向き合い、丁寧に対応していくと子供は変わります。学級担任や保護者と共に子供と付き合いながら、その変化に気付くことができた時、担当者としては大きな喜びを感じることができると思います。

―通級指導教室の担当者にはどのような力が求められるのでしょうか?山中先生は、担当者はその力をどのように身に付けていくとよいとお考えですか?

 先ずは、一人一人の子供としっかり向き合うことが大切です。通級指導教室の担当者は、心理の専門家ではないので、関係機関をよく把握しておき、適切な機関につないだり、意見を仰いだりしていくような調整力も必要です。また、通常の学級担任や保護者等と良好な関係を築き、相談しながら進めていく力も必要です。さらに、特別な教育課程についての理解も深めておかなければなりません。これらの知識は、各地域で行われている研修や参考文献、特別支援教育総合研究所からの情報等からも得られます。

―最後に全国で頑張る通級指導教室担当の先生方へメッセージをお願いします。

 通級指導教室は、まだまだ歴史の浅い教育ですが、一人一人の子供と向き合える教育です。一人一人の子供が豊かな生活を送ることができるよう、先生一人で頑張るのではなく、多くの人と関わり合いながら子供の成長を見守ってください。

(構成:佐藤)

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