著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学びの軌跡を。学びの足跡を。シンプルでパワフルな「板書型指導案」
埼玉県公立小学校教諭紺野 悟
2019/2/21 掲載
今回は紺野 悟先生に、3・4年編、5年編、6年編の3分冊で発刊された新刊『全単元・全時間の流れが一目でわかる! 社会科 365日の板書型指導案』シリーズについて伺いました。

紺野 悟こんの さとる

埼玉県公立小学校教諭。若手教員サークル轍の会代表。埼玉クローバー学び続ける教師ネットワーク代表。

―本書は、新学習指導要領に対応した形で、社会科の全単元・全時間の「板書例」と「授業のポイントと流れ」、「つけたい力と評価」までが一目でわかる、“板書型指導案”を、学年別にまとめたシリーズになっています。まず、“板書型指導案”とは何か、またその特長(よさ)について、教えて下さい。

 「板書型指導案」とは、1枚の用紙の中に、次の2つの要素を書いた、毎日の授業に活用できる指導案のことです。
 @本時の板書計画を紙面の中心に大きく書く。
 A本時の流れや意図、主な発問や要点、身に付けたい力と評価などを周辺に書き出す。

 その特長として、次の7点が挙げられます。

 @授業のイメージができる。
 A授業の大まかな流れがわかる。
 B板書型指導案の作成を通して、教師自身が教材について学べる。
 C板書型指導案の作成を通して、学習内容の整理ができる。
 D授業記録として保存・活用でき、他の先生方と共有できる。
 E授業参観者のための指導案と手持ちの指導案の2つを兼ねる。
 F授業に必要な最低限の要素が詰まっているので、いつでも実践できる。

―本書は板書例に加え、「つかむ」「しらべる」「まとめる」の3場面について、教師の言葉と子どもの反応、ポイントが明示されています。どのような順序、方法、内容で、単元の目標まで進めるか、がとてもわかりやすくなっていますが、この流れのポイントについて教えて下さい。

 「つかむ」では、どのように資料をもとに子どもたちから問い(「なぜ?」や「どのように?」)を引き出し、本時の学習課題を設定するか、を示しています。板書計画では、主に黒板の左側に位置しています。

 「調べる」では、学習課題に基づいて、学習のまとめに向かって調べたり、話し合ったりする対話的・協働的な学習活動と、その際の教師の役割として発問や指示、子どもの発言に対する切り返しなどを具体的に示しています。板書の中心がここに当たります。

 「まとめる」では、学習課題に正対する学習のまとめを導き出し、自分なりの言葉で表現させるための手立てを示しています。板書の右側に位置し、特に学習のまとめは、課題の右側に配置することで、つながりを意識できるよう配慮しました。

―本書は、全学年・全単元・全時間を揃えたというところが最大のウリだと思います。本書で書かれていますとおり、「実際に活用してもらってナンボ」の本ですが、授業実践にあたって、おすすめの使い方、活用のポイントがあれば教えて下さい。

 その日の授業で使うページのコピーと資料を事前に用意しておけば、あとは職員室から教室へ歩く間に読んで授業をすることも可能です。

 また、校務で忙しい毎日の中で、学年の先生方と授業の話をする時間は、なかなか取りにくいものです。しかし、本書があれば、さっと目を通してもらい、疑問点だけを話し合えば、済んでしまいます。

 さらに、授業後に、本書にご自身の修正点や反省点を書き込むだけで、簡単に自分だけの板書型指導案ができ、授業記録として活用できます。それは、次年度以降、同じ授業を行う際に、より一層、短時間で充実した授業を行う手助けとなるはずです。

―最後に、この書籍を手にとっていただいた読者の先生方へ、メッセージをお願い致します。

 本書を手に取ってくださり、ありがとうございます。

 本書はもともと、次のような悩みや願いを解決したい、という思いから生まれました。
 忙しい毎日の中で……
 @教材研究と授業準備を同時に行いたい。
 A学年の先生方と授業について話し合う時間が十分に取れない。
 B実践した授業の記録を残したい。

 
 「板書型指導案」という新しい指導案の形式に出合い、作成するようになって、日々の授業はもちろんですが、私たち自身の働き方も大きく変わりました。より短時間に効率的で、生産性のある教材研究ができるようになったことで生まれた時間は、子どもたちへの指導の充実や家族と過ごすことに使えるようになりました。
 本書を手に取っていただいた先生方が、私たちと同じように「板書型指導案」の効果を実感し、そのよさを周囲に広めてくださることを心から願っています。

(構成:及川)
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