著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「質の高い言語活動」を位置付けた授業で「深い学び」を実現しよう!
京都女子大学教授水戸部 修治
2018/7/24 掲載

水戸部 修治みとべ しゅうじ

京都女子大学教授。
小学校教諭,県教育庁指導主事,山形大学地域教育文化学部准教授等を経て,文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官,国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究官・教育課程調査官・学力調査官,平成29年4月より現職。専門は国語科教育学。平成10・20年版『小学校学習指導要領解説国語編』作成協力者。

―本書には「質の高い言語活動」を実践するための理論と方法(活動アイデア)がたっぷり紹介されています。まずこの「質の高い言語活動」とはどのような定義のものと考えればよいでしょうか。

 新学習指導要領の国語科の教科目標にもあるように、国語科は「言語活動を通して、資質・能力を育成する」教科です。「質の高い言語活動」とは、単元で育成を目指す国語の資質・能力を、子供たちが身に付ける上で確実に機能する言語活動のことです。『解説総則編』でも、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善の主眼となるのが、言語活動などの質を高めることであるとされており、「質の高い言語活動」の実現が授業づくりのカギになります。

―1章の理論に続き、2章では授業改善にすぐ役立つ「再ユニット化マトリックス」と「小学校国語科単元計画シート」が提案されています。「再ユニット化マトリックス」とはどのようなものですか。

 新学習指導要領では、内容が〔知識及び技能〕と〔思考力、判断力、表現力等〕の二つに分かれています。例えば「音読・朗読」や「読書」は〔知識及び技能〕に、「読むこと」の指導事項は〔思考力、判断力、表現力等〕に分けて示されているため、「読むこと」の単元を構想する際には、それらを適切に組み合わせて資質・能力を明確化する必要があります。その際に役立つのがこの「再ユニット化マトリックス」です。本書には領域別3種類の「再ユニット化マトリックス」を収録しています。このすべてが購入者限定の特典として、明治図書のウェブページからデータをダウンロードして活用できるようになっているのも魅力です。

―また「小学校国語科単元計画シート」は2種類のバージョンで収録されていますが、こちらはどのように活用できるでしょうか。

 「小学校国語科単元計画シート」は日常的な授業改善に役立てるためのものです。例えば新しい単元に入る際に、このシートを使ってねらいを確認しておおよその計画を立てたり、途中で軌道修正したりすることは、実効性のあるカリキュラムマネジメントになります。授業研究に向けた学習指導案作成の際の授業構想にも使えます。
 「小学校国語科単元計画シート」に加えて「小学校国語科単元計画シート(新学習指導要領版)」として、より簡易な形式のものも例示しました。実際に使ってみて活用しやすい方を選んでください。こちらも購入者限定でデータをダウンロードできるようにしています。より使い易く加工・修正して活用できるよう、Word版で編集できるようにしているのも特徴です。

―3章は学年別の最新の言語活動事例集になっています。新学習指導要領の3観点に合わせた単元の目標や評価規準も明示され、移行期間からバッチリ使える内容ですが、すぐに実践できるよう、どのような内容で各事例が紹介されているのでしょうか。

 全国各地から「質の高い言語活動」を位置付けた実践を集積できたことが最大の特徴です。指導の工夫によって、国語が苦手だった子供たちも含めて、一人一人が確かに主体的に言葉と向き合い、共に学び、指導のねらいを実現する深い学びを得られた真摯な取組を、新学習指導要領の指導事項及び目標に準拠した評価規準を軸にご紹介しています。授業構想の意図を踏まえた上で読者の皆様の実践に生かしていただけるよう、編者の立場から実践の特長の解説も加えています。

―最後に読者の先生方へのメッセージをお願いします。

 本書の編集・執筆に当たり最も意を用いたのは、よりよい授業実践に向けて新学習指導要領を使いこなすための手立てを具体的に提案することでした。子供たちにとって必要な言葉の資質・能力を育成したい、今日の授業を、半歩でも一歩でも改善していきたい、そうしたひたむきな実践者の方々の授業改善の一助となるよう祈念しています。

(構成:木山)
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