- 著者インタビュー
道徳ワークショップとは、道徳科の授業において子どもたちがグループになって、ある道徳的問題についてそれぞれの考えを交流したり、多面的・多角的なものの見方を出し合ったり、グループでまとめた考え方を図解で表現したりする共同作業のことです。まさに、これからの「考え、議論する道徳科」の授業づくりや、「主体的な学び」と「対話的な学び」を生み出すために不可欠の活動です。
「主体的・対話的で深い学び」としての道徳科の授業を生み出すためには、これまでのように、黒板とワークシート、挿絵の拡大コピーといった教具だけでは十分ではありません。子どもたちの協働的な思考を活性化させるとともに、多面的・多角的なものの見方をうながしたり、判断力や表現力を育てたりすることをねらいとして、本書で紹介した多様なツールやアクティビティ、そしてポートフォリオを活用することが大切です。3章と4章では、お薦めの活動も実践事例に位置付けて具体的に解説しました。
本書で紹介した道徳ツールと道徳ポートフォリオのファイルをダウンロードできるようにしました。これがあれば、道徳ワークショップの授業がだれでも簡単にできるようになります。その中でも、「道徳力アンケート」は授業で子どもたちの教材として使えるだけでなく、学校で取り組んでいる道徳科教育の成果検証のエビデンスをとることが可能です。小学校中学年版、小学校高学年版、そして中学校版という3種類のアンケートとそれぞれに対応したレーダーチャート作成ソフトも付けていますのでご利用ください。
一言でいえば、バランスをとるということですね。これまでのように読み物教材を使った一斉指導を中心とした授業と、読み物教材を使わない道徳ワークショップによる新しい授業を関連付けながらバランスよく実践することが大切です。そのために、新学習指導要領における位置づけも明確に示しましたので、安心して取り組めます。
新しい学習指導要領で、「主体的・対話的で深い学び」という学習方法が提案されました。それを実現するのは、まさに道徳ワークショップです。道徳ワークショップでは教科書の読み物教材を必ずしも使わずに、学級担任が開発する多様な教材を用いて、「考え、議論する」学びを生み出すことが特色になっています。それを可能にする授業アイデアを数多く紹介しましたので参考にしてください。