著者インタビュー
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新任教師が「バリバリ活躍する」ためにはコツがある!
川崎市公立小学校土居 正博
2018/3/2 掲載
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土居 正博どい まさひろ

1988年、東京都八王子生まれ。創価大学教職大学院修了。川崎市公立小学校に勤務。国語教育探究の会会員(東京支部)。全国大学国語教育学会会員。「深澤道場」所属。教育サークル「KYOSO’s」代表。『教師のチカラ』(日本標準)准編集委員。第51回「わたしの教育記録」(日本児童教育振興財団主催)にて「新採・新人賞」を受賞。翌年、第52回「わたしの教育記録」にて「特別賞」を受賞し、二年連続の入賞を果たす。著書に、『クラス全員に達成感をもたせる!1年生担任のための国語科指導法―入門期に必ず身につけさせたい国語力―』(明治図書)。

―本書は、新採1年目でも結果を出したい! 活躍したい! と燃えている先生にぜひ読んでいただきたい一冊です。「教員1年目の教科書」とありますが、“1年目”に絞ったのはなぜですか?

 私自身の経験から、教育現場に出てすぐの1年目の教師と、ある程度現場のことが分かるようになってきた3年目の教師とでは、意識したり、力を入れて取り組んだりすべきことが違う、という実感があるからです。例えば、1年目の教師に「とにかく良い授業を!」というアドバイスをしてもそれは難しいものがあります。一方、3年目の教師に対して本書に書いてあるような初任者に向けたアドバイスをし続けるのも、それはそれで成長を妨げることがあると思います。つまり、それぞれのステージに合った「アドバイス」や「コツ」、「成長のヒント」があるのです。
 そして、現代の難しい教育現場において、初任者は「とにかく、子どもとの信頼関係を築き、安定した学級を運営する事を最優先にしつつ、授業実践に精一杯力を入れていく」という方向での努力が最も奏功すると考えます。そのための具体的な「アドバイス」や「コツ」を本書にまとめました。全て初任者が理解でき、取り組めることばかりです。なぜなら、それらは私が初任者時代に意識していたことだからです。「教科書」というのは少々大げさかもしれませんが(笑)、初任者の先生にとって、本書は大きな武器になると思いますよ!

―先生ご自身も、初任校での勤務時に、教育実践論文で入賞されるなど結果を出されていらっしゃいますね。そんな先生でも、あとから振り返って「あのとき知っておけば……」と思った事柄などはありますか?

 初任時代にはとにかく失敗しましたよ。だから、その失敗から学んだことをたくさん本書にはまとめてあります。「あのとき知っておけば……」というのは、たくさんありますが、特に、「指示は的確に短く」ということですかね。大学院時代に、国語科教育の指導などについて研究していた私は、「指示」についてそんなに真剣に考えたことがありませんでした。しかし、教職経験を積んだ今、その重要性を痛感しています。そもそも、「このように話そう」という意識すら持たずに子どもの前に立って話してしまっていたなぁと反省しています。それでも意識し始めてからは、だいぶ上手になったと思います。本書の一番初めの項に書きましたが、何事も「無知を知る」ことから始まるのですね。そう言う意味では、「無知を知る」ということが「あのとき知っておけば……」ということかもしれません。

―この本は、先生が周りの若手の先生にリサーチして執筆くださったとか。特に、若い先生がつまずきがちなことはなんでしょうか。

 そうなんです。大学のゼミの後輩に手伝っていただき、初任者の先生方にどんなことで困っているか、アンケートを取りました。あくまでも私が個人的に調べた結果ですが、その中で多くの初任者が「帰宅時間の遅さ」「特別な支援を要する児童への対応」「管理職との関係」で主に悩んでいることが分かりました。「授業」で悩んでいる初任者は少ない状況でした。そこまで手や頭が回らないという感じだと思います。自分自身の経験から考えると、おそらく、「授業がうまくいっていない」という状況に気づいてすらない状況だと思います。それはさておき、アンケート結果を踏まえて、「帰宅時間を早める方法」「特別支援」「管理職」などに関しては、全て本書に載せてあります。いずれも初任者でも取り組めることなのでおススメですよ。

―これがあれば初任者の心得はすべて網羅した、と言えるくらい、学級経営・授業づくり・保護者対応・仕事術・自己研鑽……と盛り込んでいただきました。なかでも、バリバリ活躍するために、もっとも大切なことはなんですか?

 本書は、意識して「網羅的」に書きました。先ほど挙げたように、初任者の悩みは多岐に渡るからです。教師の一番の仕事は授業をして子どもの力を伸ばすことですが、それ以外のことでも多くの初任者が悩んでいるのです。そのような状況を受けて、たくさんの先生方の助けになるよう、網羅的に書きました。その中でもあえて重要なことを選ぶとしたら、「学級経営編」です。なぜかというと、現場が求めるのは「一年間クラスを保てる先生」だからです。これは、私が初任のときの校長が何度も口にしていたことです。逆に言うと、これができないとかなり教員人生が苦しくなります。また、余裕のあるときは、「自己研鑽編」に紹介したことを実行してみてください。実はそれが「活躍」だけでなく、「楽しみ」に繋がるのです。

―最後に、この春、新たに先生としての一歩を踏み出す読者の先生方に向けてメッセージをお願いします!

「これからの、先生の素晴らしいであろう教員人生の第一歩を共にできたこと。息子共々私は幸せです。」

 この言葉は、私が初任の年度の最後の保護者会で保護者にかけて頂いたお言葉です。前年度学級崩壊していた学年を受け持ち、本書に書いてあることの多くを実践しました。
 私も皆さんと同じく、若手教師です。毎日毎日失敗ばかりですが、それでもこの仕事を心から楽しんでいます。自分の頑張りが、こんなにも人から感謝される……みなさんが選んだ仕事は、最高の仕事ですよ! 本書をみなさんの武器の一つにしていただき、素晴らしい「教員人生の第一歩」を踏み出してください。

(構成:林)

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