著者インタビュー
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文字化資料と振り返り活動で、効果的な話し合い指導ができる!
梅光学院大学准教授香月 正登
2017/12/21 掲載
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香月 正登かつき まさと

1967年(昭和42年)福岡県生まれ。山口大学大学院修士課程修了。山口県公立小学校教員を経て、現在、梅光学院大学子ども学部准教授。全国大学国語教育学会員、中国・国語教育探究の会副代表、「ことばの学び」をひらく会代表。実践学の構築を目指し、精力的に現場での授業を続けている。

―本書では「文字化資料」を活用し、「振り返り活動」に重点を置いた話し合いの授業を提案されています。「文字化資料」とはどのようなものなのでしょうか。

 「文字化資料」とは、子どもたちの話し合いの音声を文字に起こし、学習材として用いる資料です。音声言語は即時的に消えてしまいますが、文字化することによって話し合いの展開やこつが一目瞭然となります。文字化の方法としては、教師が文字化、子どもが文字化、全体を文字化、一部を文字化など、さまざまなバリエーションが考えられます。負担が少なく、かつ、効果的な方法を本書では提案しています。

―また、「振り返り活動」にも重点を置いたのはなぜでしょう。

 そもそも国語科の役割は日常でくり広げられる無意識的な言語の運用をメタ認知し、自覚化し、日常へ返すことです。特に音声言語活動は日常性の強い言語活動です。「振り返り活動」に重点を置くことによって、自分のことばへの点検、手入れはより促され、日常の話し合いは洗練されていきます。話し合いのこつを使いこなし、創り出すようになるには「振り返り活動」が必要不可欠です。

―この「文字化資料」と「振り返り活動」をとり入れた指導のメリットを教えてください。

 「振り返り活動」を充実させるためには、話し合いの様相が見えていなければ事は始まりません。そのために映像資料を用いることもありますが、「文字化資料」の場合は、言語の運用に焦点化して振り返ることができます。話し合いのよさや改善点を中心に振り返っていくことによって、話し合いのこつの効果が実感できたり、こつの使い方がイメージできたりして、日常の話し合いの質が高まっていきます。

―本書には話し合いの授業アイデアだけでなく、話し合いを位置づけた「音声言語活動」「読みの交流」の授業アイデアも紹介されていますが、こちらはどのように活用できますか。

 話し合いの力は、話し合いを対象化した授業だけで育まれるものではありません。他教科・他領域はもちろん、国語科内でも他の音声言語活動、読みの交流などと相互に働き掛け合いながら話し合いの力は伸びていきます。その関連性(相乗効果)を考えながら活用していただければ効果は何倍にも膨らんでいきます。

―最後に、全国の小学校で国語を教える先生方に一言お願い致します。

 話し合いの力は、これからの教育の中心的な言語活動です。創造的・論理的な対話力は、まさに汎用的な能力と言ってよいでしょう。しかし、残念ながら話し合いの指導は、活動か、話形かに流れ、本質的な指導とはかけ離れています。ぜひ、本書を参考に指導のバリエーションを広げ、話し合いの指導に変革をもたらしていきましょう!

(構成:木山)
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